◆二宮敦人『最後の秘境、東京藝大:天才たちのカオスな日常』を読み解く

◆二宮敦人『最後の秘境、東京藝大:天才たちのカオスな日常』を読み解く

※要旨

・僕の妻は藝大生である。
一方の僕は作家で、よくホラー小説やエンタメ小説を書いている。
今、僕が原稿を書いている横で、
妻はノミに木槌を振り下ろしている。

・皆さんは東京藝術大学、通称「藝大」をご存じだろうか。
なぜ、僕が藝大について調べ始めたのか。
それは現役藝大生である妻がきっかけだった。
とにかく妻が、面白いのだ。

・音楽と美術の両方を擁しているのが藝大の特徴の一つでもある。

・藝大に合格するにはトップレベルの実力が必要で、
それを身につけるには、それを身につけるには
トップレベルの指導者に習う必要がある。
そのトップレベルの指導者は藝大の教授であることが多い。

・藝大のレベルは総じて高い。
音校なら演奏技術、美校ならデッサン力。
そういった、いわば基礎の部分にまずは高い能力が求められる。

・藝大が求めているのは、
それを踏まえた上での何か、
才能としか表現できない何かを持った学生だ。
「光るものを持っている」
と審査する教授に思わせることができないといけない。

・芸術の時間。
「旅行に行ったとき、大変だったのよねー」
わたしの妻のお母さんが、腕組みしながら苦笑した。

「ルーブル美術館でね。本当に、全然動かなくなっちゃって」
妻の母、妻、妻の妹、妻の従姉妹。
4人で海外旅行に行き、ルーブル美術館に入った。
その一角で、妻は全く動かなくなってしまったという。

・「踊り場にある、あの彫刻。
『サモトラケのニケ』
あれをずっと見てて。
1時間くらい見てたかな、
まだ見る?って聞いたら、見るって言うわけ。
じゃあもう、好きなだけ見なさいって」

なんと、妻はえんえん5時間以上も「サモトラケのニケ」だけを
見つめ続けたという。
ただ一心不乱に。
人が芸術に触れる時、
時間の流れは少し普段と変わってしまうようだ。

・声楽科。
学生が口をそろえて「藝大で一番チャラい」
という学科である。

・声楽科には、声楽実習という授業がある。
これはオペラの稽古だ。
オペラはたいてい男女の恋愛の物語だ。
その練習なので、体が触れ合うことも多い。

・声楽科の学生は、一日2時間くらいの練習が限度だ。
それ以上は喉を痛めてしまう。
残りの時間は、遊びに使ったり、体を鍛えている。
ジムに行ったり。
体幹を鍛えないといい音が出ない。
肉体は大事だ。

・声楽科はチャラいといっても、
一本芯の通ったチャラさだった。
恋愛も存分に味わってこそ、人生を楽しめる。
いい歌が歌える。
恋をしたことがない人間が恋を歌っても、きっと届かない。
彼らはそれを、本能で知っているのかもしれない。

・立花さんの
「美しいものを作る人が美しくなかったら、説得力がない」
という言葉が思い浮かぶ。

・「何年かに一人、天才が出ればいい。
他の人はその天才の礎。
ここはそういう大学なんです」

入学時、柳沢さんは学長にそう言われたという。

・美校と音校の敷地が繋がっているように、
美術と音楽は繋がっている。
藝大は個々の力も魅力的だが、
その中で起きている化学反応も、とても魅力的だ。

※コメント
自分の知らない世界ほどおもしろいものはない。
いろいろなインスピレーションをもらえる。
そのような芸術的な一冊だ。

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