RPE : ★平昌オリンピック閉会で、米国は再び対北圧力を強める
★平昌オリンピック閉会で、米国は再び対北圧力を強める
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
感動が多かった平昌オリンピックも、今日で終わりですね。
そのせいか、アメリカが、再び北朝鮮への圧力を強めはじめま
した。
思いだしてみましょう。
1月1日、金正恩は、二つの重要な声明をだしました。
一つは、「アメリカ本土を核攻撃できるICBMを実戦配備した」
もう一つは、「韓国と対話したい。平昌五輪に代表を送る用意
がある」
それまでの構図は、以下でした。
圧力派 = 日本、アメリカ
対話派 = 中国、ロシア
北朝鮮は、「もはやアメリカ本土を核攻撃できる」ということ
で、「対話派」に転じた。
つまり、「アメリカは、もはや北朝鮮を攻撃できない。北の核
保有を認め、体制を保証し、制裁を解除しなさい!」と。
(米国防総省は、「北は、まだアメリカ本土を攻撃できない。
しかし、年内には可能になる」としています。
韓国は、日米と共に「圧力派」でしたが、金の声明を受けて寝
返りました。
そして、実際対話は再開され、北の代表団が平昌五輪に参加し
た。
ちなみにトランプさんも、「対話に賛成だ」といいました。
「平和の祭典オリンピックをぶち壊した男」といわれたくなか
ったのでしょう。
しかし、オリンピックは終わります。
それで、アメリカは、再び圧力を強化しはじめました。
今日は、二つの事実をご紹介します。
▼イバンカ、韓国を訪問
トランプの美人娘で大統領補佐官のイバンカさんが、韓国を訪
れました。
毎日新聞2月24日。
<【ソウル大貫智子】平昌冬季五輪閉会式(25日)出席の
ため、米国のトランプ大統領の長女、イバンカ大統領補佐官
をトップとする代表団が23日、訪韓した。
仁川国際空港到着後、ソウルに向かい、青瓦台(大統領府)
で文在寅大統領と約40分間会談し、夕食会に臨んだ。
イバンカ氏は26日まで韓国に滞在。24、25両日は平昌
で米選手団を激励したうえで、閉会式に出席する。>
早速、文さんと会談したのですね。
何を話したのでしょうか???
<韓国側の発表によると、会談で文氏は「北朝鮮の核を認めら
れないという意思が最も強いのは韓国だが、過去25年間の韓
米両政府の努力は成功しなかった」と述べ、
五輪を機に新たに醸成された南北対話を非核化のための米朝対
話につなげたいとの考えを表明。
イバンカ氏は「北朝鮮に対する最大限の圧迫のため、両政府が
共に努力している効果が出ている」と圧力の重要性を強調した。
>(同上)
文さんは、何をいっているのでしょうか?
・韓国は、誰よりも、北朝鮮の非核化を願っている
・しかし、過去25年間の米韓の努力は成功しなかった
・だから、五輪後も対話を継続したい
と。
「過去25年間の努力」とは、「25年の圧力」という意味でしょ
う。
「圧力で成功しなかったから、今度は対話で試そう」という論
理です。
皆さんご存知のように、現実は逆ですね。
アメリカは新世紀に入って、アフガン、イラク、リビア、シリ
アなどを攻撃しました。
しかし、北朝鮮に対しては、クリントン、ブッシュ(子)、オ
バマと「甘甘」で、今の悲惨な状態に至ってしまった。
文さんのいうように「圧力」で失敗したのではなく、どう考え
ても「対話」で失敗したといえるでしょう。
これに対してイバンカさんは?
「北朝鮮に対する最大限の圧迫のため、両政府が共に努力して
いる効果が出ている」
つまり「圧力の効果が出ている」と。
こちらも微妙ですが。
少なくとも(対話派の中ロも含む)国際社会を巻き込んで、制
裁が強化されているのは、いいことです。
▼アメリカ、対北朝鮮制裁を強化
一方、アメリカ政府は同日(23日)、「対北朝鮮制裁強化」を
発表しました。
毎日新聞2月24日から。
<【ワシントン高本耕太】米政府は23日、核・ミサイル開発
を続ける北朝鮮に対する、新たな追加独自制裁を発表した。
北朝鮮への石油や石炭の海上密輸に関与した計56の海運・貿
易会社、船舶、個人が対象。
トランプ米大統領は東部メリーランド州で演説し「一国に対す
る過去最大の制裁を科した。前向きな効果を望んでいる」と述
べた。>
「一国に対する過去最大の制裁を科した」そうです。
日本に対する「ABCD包囲網」の方が厳しかった気もしますが。
<制裁対象となったのは、北朝鮮のほか中国、香港、シンガポ
ールなどに拠点を置く海運・貿易27社▽パナマやタンザニア
船籍などの船舶28隻▽1個人。
今回の制裁で米国内資産を凍結され、米国人とのいかなる取引
も禁じられる。
ムニューシン財務長官はホワイトハウスでの記者会見で、制裁
は「世界各国、企業への警告だ」と指摘。
「北朝鮮と取引する者は代償を覚悟すべきだ」と述べた。>
(同上)
ポイントは、ムニューシンさんの言葉。
「世界各国、企業への警告だ」
「北朝鮮と取引する者は代償を覚悟すべきだ」
ですね。
つまり、北朝鮮と取引する人、企業は罰せられると。
他の国々と取引できなくなったり、資産を没収されたり、
銀行口座が閉鎖されたり、などなど。
こういう脅しは、かなり効果があると思います。
衰えたとはいえ、アメリカのパワーは、強いです。
アメリカが日本、欧州を巻き込むことに成功すれば、北朝鮮を
支援する企業は、
「世界GDPの50%以上から制裁される」ことになります。
それでも、北朝鮮が、核兵器を放棄することはないでしょう。
「放棄すれば、フセイン、カダフィと同じ運命が待っている」
と、金が信じているからです。
▼平昌パラリンピックが「対話派」の追い風
このまま、北への圧力は強まっていくのでしょうか?
どうも、長くはつづきそうにありません。
3月9日から18日まで、今度はパラリンピックが開催される。
また「平和ムード」「対話ムード」が強まりそうです。
この期間、金正恩は、せっせと「アメリカ本土を核攻撃できる
ICBM」の開発に励んでいいることでしょう。
しかし、3月18日以降は、また荒れそうです。
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