★米中貿易戦争~中国はどう動いたか?

★米中貿易戦争~中国はどう動いたか?

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

読者のアールレインボーさまから、「米中貿易戦争」について
大変興味深いメールをいただきました。

シェアさせていただきます。

【 メールここから▼ 】

<北野 様

いつもメルマガを楽しみに拝読しております。

No.1738「★習「終身国家主席」と「米中貿易戦争」」
にて取り上げられた「米中貿易戦争」と「戦争の別の形」につ
いて、関連がありそうな記事がありましたので、勝手ながら
お送り致します。

▼「米中貿易戦争」について
この素早い行動力には、驚きました。

↓大紀元日本<習近平氏、市場開放の継続を表明 2018年04
月10日 14時55分>
http://www.epochtimes.jp/2018/04/32411.html

<中国の習近平国家主席は10日、海南省で開催された経済会
議、博鰲(ボーアオ)アジア・フォーラムで講演を行い、自動車関
税引き下げ、市場開放、知的財産権保護などを表明した。

習主席は、米中間の通商問題について初めて言及した。

習主席は「中国は、今年輸出を拡大しようとしている。

自動車関税を大幅に引き下げると同時に、他の商品の関税も下
げる方針だ」と話した。

また、外国企業に対して中国市場をさらに開放する方針を示した。

「特に金融市場において、外国保険会社への開放を加速化する」

習主席は、国家知的財産権局を新たに設立させ、知的財産権侵
害の取り締まりを強めていくとした。

さらに、習氏は「開放の門は閉じることがなく、どんどん大きく開か
れる」と強調した。>

最近の「米中貿易戦争」の流れでみると

トランプさんが「制裁だ~!」と署名すると

習さんが「報復だ~!」と応じて

トランプさんが「倍返しだ~!」と追加制裁を言い始めると

習さんが「緩和だ~!」と応じたと(笑)

おそらくこれが習さんが揚げた『観測気球』で、これをベース
にお互いの落としどころを探るんだろうと思います。

ところで、習さんが発表したこの【緩和の内容】は、少し前に
米国から中国に通知されている【書簡の内容】に驚くほどそ
っくりなことに気付きました。

↓大紀元日本<貿易戦回避で米中高官交渉開始=米WS
J 2018年03月26日 20時42分>
http://www.epochtimes.jp/2018/03/32087.html

<米中貿易戦争の発生を回避するため、両国の高官が水面下
で交渉を開始した。

米紙・ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が26日に報道した。>

<同報道によると、ムニューチン財務長官とライトハイザー代表が
先週末、劉鶴氏宛ての書簡において、米国製造自動車への関税
引き下げ、米国半導体製品の輸入拡大、米企業に対して金融市
場の開放など具体的な要求を示した。>

ここで、中国による緩和と、米国からの要望を整理すると

【中国 緩和の内容 1】=自動車関税大幅引き下げ+他商品関
税も引き下げる方針

【米国 書簡の内容 1】=米国製造自動車への関税引き下げ+
米国半導体製品の輸入拡大

【中国 緩和の内容 2】=外国企業への中国市場開放方針(特
に金融市場の外国保険会社への開放を加速化)

【米国 書簡の内容 2】=米企業に対して金融市場の開放

【中国 緩和の内容 3】=知的財産権保護(国家知的財産権局
を新たに設立させ、知的財産権侵害の取り締まりを強めていく)

【米国 書簡の内容 3】=☆記事中の記載はありませんが、米
国は今回の制裁に「知的財産権侵害」を挙げています

となります。

しかも記事にはご丁寧にこうあります。

<WSJによると、一部の専門家は、これは中国当局がトラン
プ政権との交渉に意欲を示したと分析。>

つまり

中国にとって、米国はオレと同じレベル、もしくはオレの方が
上だから、存分にケンカしてどっちが強いかはっきりさせよう!

というのなら、交渉ではなくケンカ(報復合戦)で解決を図る
はずですが、実際はそうではなく

巨大な米国の圧倒的な経済戦を前に、勝てる見込みがカケ
ラもないと理解した中国は、ぶら下げられたエサに飛びつい
て尻尾をふってみせた

という結果として、この緩和に至ったんだろうと思います。

中国は「メンツ」を重視する国ですから、口では「かかってこ
いや~!」といいながらも、裏では「何がご不満でしょうか?

改善致しますので何なりとお申し付けください。」というニ枚
舌を駆使してメンツを保っているのでしょう。

もし、こうした緩和をしなかったらどうなっていたかというと…

<長官は「この交渉を成功させる可能性は高い。

でなければ、対中追加の関税賦課を実行していくしかない。

実施を先延ばしにすることはない」と述べた。>

ということで、中国が尻尾ふってくるまでやるトコトンやる、
というのが米国の意志です。まさに「経済戦」ですね。

▼「戦争の別の形」について

一方で、中国はこの緩和の前にこんな行動を取っていま
した。

↓大紀元日本<貿易戦に焦りか 中国大使、カナダ・英
に「米と戦おう」呼びかけ 2018年04月10日 16時15分>
http://www.epochtimes.jp/2018/04/32409.html

<駐カナダ中国大使がこのほど、同国有力紙で「カナダ政府が
中国とともに米に対抗するよう」呼び掛ける記事を発表した。>

<盧沙野・中国大使は8日、「グローブ・アンド・メール」紙で米政
府の関税追加措置は「貿易保護主義」と批判し、「中国国民の
利益を損ない」「世界経済と貿易に混乱をもたらした」と糾弾した。

盧大使は、米国に対抗するには「カナダと中国は共通の利益が
ある」として、カナダを味方にしようとした。>

これはまさに北野様が普段おっしゃっている

分断工作・孤立工作 = 「情報戦・諜報戦」

ですね。

さすが中国。したたかですね。

しかしながら…

<しかし、その後同記事が更新され、「共通の利益」の文言が
消え、「中国はカナダと連携し、貿易保護主義の広がりを止め
たい」に変更された。>

あまりにも露骨で無理筋だったために「反発」があって、文言
を変更しなければいけなかったんでしょうね(笑)

また、こうした工作活動のお相手は、当然カナダだけではあ
りません。

<劉暁明・駐英中国大使も5日、英紙「デイリー・テレグラフ」
で、盧大使と同様な評論を発表した。

劉大使は、中国企業が米の知的財産権を侵害しているとい
う米側の主張を否定したうえ、技術産業分野で中国は今後
イギリス、そして欧州連合(EU)との連携を強化するべきだ
と主張した。>

このことからも分かるように、これは

日本でも起きる、又は、起きているかもしれない
と考えて警戒すべきだと思います。

ちなみに、この記事で

<一方、カナダ紙「グローブ・アンド・メール」によると、カ
ナダのアルバータ大学中国研究所のロン・マッキントッシ
ュ氏は、中国当局の味方になる国は少ないと指摘した。

米の対中貿易制裁強化によって、中国当局が市場開放
を拡大する可能性が高いからだ。

マッキントッシュ氏は、カナダの世論も「中国当局が国際
貿易において、一部の基本ルールに違反している」と認
識していると述べた。>

と分析されているように、

米国が中国を制裁 → 中国が市場開放 → 投資家な
どのグローバル金融資本が歓迎 → 世界的に資金の動
きが活発になる → 世界全体で景気上昇 → 儲かるチ
ャンス!

ということで、ソロスなどの投資家は、おそらくこうした流れ
を敏感に察知するでしょう。

その証拠に1つ目の記事ではこんな記載が。

<習近平国家主席の発言を受けて、東京株式市場では、自動車
を中心に輸出銘柄の買い注文が増え、前引けの日経平均株価
は前営業日比234円80銭高の2万1913円06銭と大幅に上昇した。

平均株価は、最終的に2日続伸し、前日比116円高の2万1,794円
32銭で取引を終えている。>

これがグローバル金融資本の影響の第一歩なのかどうかは分か
りませんが、おそらく分かる人には分かる、ということでしょうか。

今後、為替にも影響していくかもしれません…

念のため、投資は自己責任でお願いします(笑)

▼まとめ

時系列でまとめると、こんな感じです。

3月20日:中国、全国人民代表大会(全人代)が閉幕。副首
相任命。

3月22日:トランプさんが対中制裁措置の大統領覚書に署
名。

3月23日:中国が米国製品に30億ドル相当の対抗関税を
課すと発表。

3月23日~24日頃:米国高官が中国副首相に書簡送付
し、交渉開始。

3月26日:米国が中国に書簡を送付していたことが報道さ
れる(WSJ)。

4月3日:米国が500億ドル相当の25%追加関税制裁を発
表。

4月4日:中国が500億ドル相当の25%追加関税報復を
発表。

4月5日:米国が1000億ドル(約10兆7000億円)相当の追
加関税制裁の検討に言及。

4月5日:駐英中国大使が工作活動(デイリー・テレグラフ)。

4月8日:駐カナダ中国大使が工作活動(グローブ・アンド
・メール)。

4月10日:習さんが経済会議の講演で緩和策を発表。

今後:緩和内容によって資金の流れが行ったり来たりするも、
全体としては緩和で安定?

以上です。お忙しい中失礼致しました。>

【 メールここまで▲ 】

実に興味深いメールでした。

アールレインボーさま、ありがとうございました!

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