「国の借金」は子孫へのツケなのか?

おはようございます。
リアルインサイトの今堀です。

財務省が来年度(2019年度)予算の
概算要求で、

「国の借金返済に充てる」

国債費を前年度比3.2%増の24兆
5874億円としたことが、昨日付で
報じられていました。

国の借金返済に24兆円要求へ
財務省が19年度予算で
(2018年8月30日・朝日新聞DIGITAL)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4094&c=12415&d=3822

ここでいう「国の借金」とは、正確には
政府の負債(Government Debt)の
ことです。

財務省の英語ページでも、ちゃんと
“Central Government Debt”
と記載されています↓

国債及び借入金並びに政府保証債務現在高
(平成30年6月末現在・財務省)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4095&c=12415&d=3822

英語ページ:Central Government Debt
(As of June 30, 2018,MOF Japan)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4096&c=12415&d=3822

つまり、

国の借金、1087兆円に増加
3月末、国民1人当たり859万円
(2018年5月10日・日本経済新聞)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4097&c=12415&d=3822

6月末、国の借金1088兆円
=1人当たり860万円
(2018年8月10日・JIJI.COM)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4098&c=12415&d=3822

のような

「国民1人当たりの借金」

という報道は全く正しくありません。

それでも、財務省が四半期ごとに
発表する残高は、なぜか

「国民1人当たりの借金」

と報じられ続けています。

国債は9割方国内で保有されているので
実際には(ほぼ)、

「国民1人当たりの政府に
 対する貸金」

なのですね。正反対です。

ところで、あなたは財務省がYouTubeに
公式チャンネルを持っていることを
ご存じでしたか?

MOFJapan(財務省)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4099&c=12415&d=3822

2012年2月に作られていながら、現在も
登録者は1400名未満なので、

おそらくほとんど知られていないのでは
ないでしょうか。

「最強官庁」の公式チャンネルとしては
ずいぶん寂しいですね。

(そもそもあまり予算をかけている
 ようにも見えず、目的もよく
 わからないのですが・・・)

それでは、ここにはどのような動画が
アップされているのでしょうか?

公開動画は80本ほどで、2年ほど前まで
チャンネル自体がほとんど活用されて
いなかったようなのですが、

一昨年、昨年と続けて年度初めの4月に、

・諸外国との社会保障比較
・社会保障財源に消費税を用いる理由
・「国の借金」が増えた理由

などの動画が数本まとめてアップされる
ようになり、今年は4月と7月に同様の
動画がアップされています。
(「個人向け国債」の広告を除く)

それぞれグラフや図表を用いた1分前後の
動画で、プレゼンテーションとしては
わかりやすいものになっていますので、

今年アップされた動画から、2本
ご紹介したいと思います
(その他の動画も、上記MOFJapanの
 リンクからご覧になれます)。

1本目は、

「日本の財政を家計に例えると、
 借金はいくら?」
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4100&c=12415&d=3822

という動画です。

内容は、タイトル通り日本の財政
(平成30年度の一般会計予算)を
家計に例えるというもので、

収入         97.7兆円
 租税印紙収入    59.1兆円(61%)
 公債金(国債)   33.7兆円(35%)
 その他        4.9兆円( 5%)

支出         97.7兆円
 基礎的財政支出   74.4兆円(76%)
 債務(国債)償還費 14.3兆円(15%)
 利払費等       9.0兆円( 9%)

→公債(国債)残高     883兆円
※上記ニュースの「国の借金」との差異は、
 普通国債以外の財政投融資特別会計国債・
 借入金・政府短期証券等の金額です。

という財政状況を手取り30万円の
家計に例えると、 

収入           50万円
 給料収入       30万円(60%)
 借金         17万円(34%)
 その他収入       3万円( 5%)

支出          50万円
 生活費         38万円(76%)
 元本返済        7万円(15%)
 利息支払        5万円( 9%)

→ローン残高     5,379万円

になるので、

「家計の抜本的な見直しをしなければ、
 子供に莫大な借金を残し、いつかは
 破産してしまうほどの危険な状況です」

という結論にたどり着きます。

要するに、

「支出(歳出)を切り詰めて、収入
 (歳入=税収)を上げないと、破産
 (財政破綻)してしまうんですよ」

と言いたいのでしょう。

確かに、家計がこの状況ならば、
「いつかは破産」どころか既に
「実質破綻状態」でしょう。

そもそも、資産がなければこの家計に
毎月17万円貸し続けてくれる先が
あるはずはないのですが……。

もう1本、こちらは

「国の借金の残高はどれくらい?」
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4101&c=12415&d=3822

というものです。

・日本の公債(国債)残高は年々
 増加の一途を辿っている。
・平成30年度末の残高は883兆円に
 上る見込みだが、これは税収の
 約15年分に相当する。

ので、

「将来世代に大きな負担を残す
 ことになる」

そうです。ダメ押しに、

「債務残高の対GDP比も
 主要先進国中最悪」

とも付け加えられます。

どちらも、かなりのミスリードであり、
ツッコミどころは多数あります。

今回は、以下の2点について
確認しておきたいと思います。

1. 国債がデフォルト(債務不履行)を
 起こす!?

2. 国の借金は子孫へのツケになる!?

まず、1についてです。

財務省が匂わせている破産
(財政破綻)は、実は定義が
不明なのですが、

一般的には国債がデフォルト
(債務不履行)を起こすことと
考えて差し支えないと思います。

デフォルトとは、借入金の元利
返済が行えなくなることですね。

厳密には、元利返済を一部停止する
「選択的デフォルト」と

元利返済が不可能になる
「無条件デフォルト」

があるのですが、

世界的に見れば、最近10年間でも
ギリシャ、アルゼンチン、プエルトリコ等
複数のデフォルトが起きています。

それでは、日本がデフォルトを起こす
可能性もあるのでしょうか?

答えは、

「絶対にない」とは言えずとも
「まずありえない」というところ
でしょう。

これは、私の「意見」では
ありませんので、

他ならぬ権威の主張を引用して
みたいと思います。

「日・米など先進国の自国通貨建て
 国債のデフォルトは考えられない」

力強いですね。何を隠そう、
財務省の見解です。

外国格付け会社宛意見書要旨・和訳
(2002年4月30日・財務省)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4102&c=12415&d=3822
英文:http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4103&c=12415&d=3822

これは、現在の日銀総裁である
黒田東彦氏が財務官時代に、

米格付会社3社(ムーディーズ,
スタンダード&プアーズ,フィッチ・
レーティングス)に向けて出した
意見書の要旨です。

大手格付会社が日本国債の格付を
引き下げことに、政府が事実上
抗議したという経緯です。

日本国債は、もちろん自国通貨
(円)建てですね。

もう一度繰り返します。

「自国通貨建て国債のデフォルトは
 考えられない」

それは当然で、政府は「通貨発行権」を
持っているのですから、日本円を刷れば
返済はいくらでも可能なのです。

この場合の制約は、インフレを
引き起こすことなのですが、

日本は超長期デフレに苦しんで
いるので、それすら今は心配する
必要がありません。

それなのに、最近の動画では
家計に例えてまで

「財政破綻」

を匂わせているのですから、
変ですよね。

このような定義不明のよくわからない
Q&Aも同様です。

日本が財政危機に陥った場合、国債はどうなりますか
(よくあるご質問・財務省)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4104&c=12415&d=3822

まだご心配な方は、現財務大臣の
(過去の)見解も是非ご覧下さい。

麻生太郎氏による「日本の借金」の
解説が超わかりやすい 「経済を
わかってない奴が煽っているだけ」
(2010年・ログミー)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4105&c=12415&d=3822

家計に例えることのおかしさが、
一層明解になると思います。

次に、2つ目の
「国の借金は子孫へのツケになる!?」
についてです。

先程ご紹介した2本目の財務省動画
「国の借金の残高はどれくらい?」

の結論は、

「将来世代に大きな負担を残す
 ことになる」

でしたね。

国の借金(本当は「政府の借金」)が
将来世代(子孫)に大きな負担を残す
そうですが、これは正しいでしょうか?

ここでも、権威の見解を引いて
みたいと思います。長文のため、
抜粋と要約にはなりますが、

「公債が現代の国民負担を単純に後代に
 遺すと云う一般論は清算しておきたい」

という書き出しで始まり、

・財源を税金とするなら、負担するのは
 主に資本家階級である。
・これを公債(国債)にするなら、
 税金なら負担しなくてよい階級に
 長期に渡って負担させることになる。
・例えば今必要な額を徴税によっても
 国債によっても、大多数の民衆の
 税負担には変わりがない。
・しかし、税金は一回の負担ですむが、
 国債の場合、長期に渡って利子も
 加わるので、総額は増大する。

という内容が続きます。

結果として、国債を用いた場合に、
後の世代に与える影響は、

国債所有者の受け取る元利を同時代の
税金から支払うことになるだけなので、
所得の分配には影響が出るものの、

子孫に単純にツケを残すことには
ならない

ということです。

これは、昭和22年(1947年)4月に施行
された「財政法」を、当時の大蔵官僚が
解説した、

『財政法逐条解説』
(平井平治著, 一洋社)

に明記されている(P.37~38)内容です。
同書の序文は主計局長名で書かれています
ので、

事実上大蔵省の公式見解であると
とらえて良いでしょう。

なお、同書では前回お届けしたメール
(憲法9条だけではない「戦後」の呪縛)
でも引用させていただいたとおり、

財政法四条に規定されている
「赤字国債の発行禁止」の目的が、

「健全財政の堅持」であると同時に、
「戦争危険の防止」でもあることも
解説されています。

この背景にある「平和主義」の
呪縛が、未だに我が国に大きな
影響をもたらしています。

(ザ・リアルインサイト9月号で配信
予定の佐藤健志(さとう・けんじ)氏
講演会収録映像で明らかにされます)

しかし、

「国債発行が国民負担を単純に
 後代に遺す」

という一般論をきちんと否定している
良い部分は、忘れ去られているのかも
しれません。

むしろ、

デフレ期に財政支出を抑制して
国債を発行しなければ、必要な投資
すら削減されてしまいますので、

こちらの方が間違いなく子孫に
大きなツケを残す結果を招くことに
なるでしょう。

国債の保有者は、突き詰めて行けば
9割が国民です。

主な保有者は銀行や生保といった
金融機関や年金等ですが、出し手の
元を辿れば国民ですからね。

国債の保有者別内訳
(平成30年3月末速報・財務省)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4106&c=12415&d=3822

もちろん、国民の資産状況には
大きな差異がありますので、

そもそも「国民1人当たり」の計算に
あまり意味がないのですが・・・。

また、上記の円グラフで明らかなように、
現在の国債は4割以上を日本銀行が
保有しています。

日銀は事実上政府の子会社のような
ものですから、日銀保有分が増えれば、
国債の利払負担はその分減ることに
なります。

今回の結論をまとめますと、

・日本の「財政破綻」はまずありえない

・国債は子孫へのツケではない

ということです。

いずれも、他ならぬ財務省(旧大蔵省)が
認めている(た?)話です。

それにもかかわらず、

「国民1人当たりの借金」という報道が
繰り返される理由は、ありえない
「財政破綻」の危機感を植え付けて、

「増税」

への抵抗を抑える目的だとしか
考えられないですね。

他にも、

・政府債務ばかりに注目して
 資産にはあまり触れない。
・そもそも国債を全て償還(返済)
 する必要などない。
・緊縮財政、増税は経済成長を阻害し、
 一層国債を増やす結果を招く。

等いろいろとツッコミどころが
ありますが、それはまたいずれ。

ご紹介した財務省の動画は、実質的に
ほとんどの国民が存在にすら気づいて
いませんし、

寄せられているコメントの大半が
辛辣な内容であることはまだ救い
なのかもしれません。

今回の内容を、垂れ流される報道に
惑わされないための一助として
いただければ幸いです。

【引用図書】

『財政法逐条解説』
(平井平治著,1949年, 一洋社)
http://b56.hm-f.jp/cc.php?t=M4107&c=12415&d=3822
(※残念ながら現在取り扱いがない
 ようです。)

それでは、また。

今日も皆様にとって幸多き1日に
なりますように。

日本のよりよい未来のために。

私達の生活、子ども達の命を守る
ために、ともに歩んでいけることを
切に願っています。

リアルインサイト 今堀 健司

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