RPE : ★覇権争奪戦としての米中貿易戦争

★覇権争奪戦としての米中貿易戦争

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

皆さんご存知だと思いますが、トランプ大統領は、対中制
裁関税第3弾の発動を決めました。

米中貿易戦争の結果、「世界貿易が縮小して、世界経済に
危機が訪れる」と懸念する声があります。

たとえば、ノーベル賞学者のクルーグマンさんは、こんな
発言をしています。

<「トランプ大統領が貿易戦争に向かって行進する中、私
は市場の慢心に驚いている」と、クルーグマン教授はツイ
ッターに投稿。

「トランプ氏が行くところまで行って、世界経済を壊すの
かは分からない。

しかし、相当な可能性があるのは確かだ
。50%?30%?」と続けた。>(ブルームバーグ6月20日)

クルーグマンさんは、第3弾発動決定のニュースを聞いて、

「また、可能性が高くなった」と確信したことでしょう。

そして、IMFも、

<世界経済に「深刻な打撃」=米の対中制裁憂慮─IMF

9/21(金) 0:35配信 

【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のライス報道官
は20日の記者会見で、トランプ米政権が発動を表明した
対中制裁関税の第3弾が及ぼす影響について、米中両国に
とどまらず世界経済に「非常に大きな打撃をもたらす恐
れがある」と強い懸念を表明した。>

「世界経済に非常に大きな打撃をもたらす恐れがある」

そうです。

常識的に考えても、その通りでしょう。

しかし、この話には別の側面もあります。

▼米中覇権争奪戦の時代

それは、「貿易戦争」が「米中覇権争奪戦」の一環だとい
うことです。

なんのことでしょうか?

第2次大戦後、世界は「冷戦時代」、別の言葉で

「米ソ二極時代」

に突入しました。

この時代は、1991年末のソ連崩壊で終わります。

二極のうち一極がなくなった。

それで、1992年から、「アメリカ一極時代」がはじま
ったのです。

アメリカは1990年代、IT革命をけん引し、大いに繁栄
することができました。

ところが、「アメリカ一極時代」は08年、「100年に
1度の大不況」で終わりました。

その後、「米中二極時代」がはじまったのです。

この戦いは、2015年3月まで、明らかに中国有利でし
た。

そのことは「AIIB事件」を見てもわかります。

アメリカは、親米国家群に、「中国主導のAIIBに入るなよ
!」と脅していた。

ところが、アメリカと特別な関係」にあるはずのイギリス
がまず裏切り、

これに日本以外のほぼすべての「親米諸国」がつづいたの
です。

(AIIB参加国は、現在87か国!)

衝撃を受けたオバマさんは、突如「天才リアリスト」にう
まれ変わりました。

彼は、ウクライナ問題、シリア問題、イラン核問題を鎮静
化させ、

中国バッシングを大々的にはじめたのです。

国際金融資本もオバマさんに味方したので、15年、16
年、中国経済は非常に厳しかった。

そして、トランプも選挙戦中は「反中」だったので、私た
ちは、彼に期待していました。

ところが、2017年、米中覇権争奪戦は起こらなかった。

理由は、おそらく二つあったのでしょう。

一つは、トランプが習近平と会って、「大好き」になって
しまったこと。

二つ目、トランプは、「北朝鮮問題で中国の協力が必要だ
」と考えていたこと。

しかし、1年経てば、誰でも「習近平は口だけだ」と気が
つきます。

それで、今年からトランプは「米中貿易戦争」を開始した。

▼「核時代」の戦争形態

これは、何でしょうか?

RPEではいつも、「戦争とは、武器を使う戦闘行為だけで
はない」という話をしています。

・情報戦

これは、メディアを使って、敵国を「悪魔化」させるため
に行われます。

たとえば、「慰安婦プロパガンダ」。

これ、皆さん韓国に憤っているでしょうが、背後に中国が
いるのです。

・外交戦

外交力を使って、敵国を孤立させます。

たとえば、中国は、朴槿恵を使い「告げ口外交」をさせ、
日本孤立化を目指していました。

・経済戦

尖閣中国漁船衝突事件が起こったとき、中国は日本への
レアアース輸出を禁止しました。

あるいは、日欧米は、ロシアに経済制裁を科しています。

そして、必要があれば、私たちが「戦争」とよぶ「戦闘
行為」が行われる。

これは、普通、広義の戦争の「最終段階」で行われます。

(とはいえ、大国の「代理戦争」はわりとしばしば起こ
ります。

たとえば、ウクライナ内戦は、親米ポロシェンコ政権と、

ロシアが支援する東部親ロシア派の代理戦争。

シリア内戦は、ロシア、イランが支援するアサドと、欧
米、サウジ、トルコなどが支援する「反アサド」の代理
戦争。)

問題は、アメリカも中国も「核兵器を大量に保有している」
こと。

戦争が、エスカレートすれば、米中共に消滅することにな
りかねない。

それだけでなく、地球そのものが破壊しつくされ、「人の
住めない星」になる可能性がある。

というわけで、「大国間の大戦争(大戦闘)」は起こりづ
らくなっているのです。

メインは、「経済戦争」に移行しています。

たとえば、ロシアは、ウクライナでルガンスク、ドネツク
を事実上の独立状態にすることができた。

また、ロシアが支援するアサド政権は、欧米が支援する反
アサド派を駆逐し、ほぼ全土を掌握しつつあります。

そう、軍事的にロシアは、ウクライナでもシリアでも勝っ
ている。

ところがアメリカは、「ロシアと戦闘しよう」とは考えな
い。

どうするかというと、「経済制裁を強化しよう」と考え、
実行するのです。

それで、ロシア経済はボロボロになってしまった。

そう、これが今の「戦争形態」なのです。

メインは、「戦闘行為」ではなく、「経済制裁」になって
いる。

▼覇権争奪戦としての貿易戦争

では、トランプの貿易戦争は、中国にどんな影響を与えて
いるのでしょうか?

夕刊フジ9月20日付

「日本企業、中国から総撤退も 米中貿易戦争激化で外資
系が生産拠点切り替えか」

を見てみましょう。

この貿易戦争で、中国に勝ち目はないそうです。

なぜ?

<中国側の打つ手は限られている。

米国の中国からの輸入額は5000億ドル強にのぼるが、
逆に中国の米国からの輸入額は約1300億ドルにとどま
り、全ての米製品を報復対象にしても、金額面で同等の制
裁を加えることは不可能だ。>

アメリカは、中国から年間5000億ドル輸入している。

だから、5000億ドル分に関税をかけ、中国経済に打撃
を与えることができる。

いっぽう、中国は、アメリカから1300億ドルしか輸入
していない。

だからどうがんばっても1300億分にしか関税をかけら
れない。

だから、「アメリカが貿易戦争に勝利する」と。

そして、米中貿易戦争に危機感を感じている日系企業が中
国から逃げ出していると、夕刊フジは報じています。

<米国の対中追加関税第1弾と第2弾を受け、

三菱電機は8月に、中国で生産し米国に輸出していた工作
機械の生産を国内に移した。

コマツは建設機械の部品生産の一部を中国から日本やメキ
シコに振り分けている。

ダイキン工業は米国で製造する空調機の一部部品を中国か
ら賄っているが、調達先の変更などを検討中だ。

東芝機械も10月に自動車向け部品などを製造する射出成
型機の生産の一部を上海工場からタイと国内の本社工場に
移す計画だ。

ユニクロを展開するファーストリテイリングも、米国への
供給をベトナムなど中国以外の拠点に切り替えることを検
討している。>(同上)

誰もが知っている大企業が中国から逃げ出している。

これが「米中貿易戦争」の結果ですね。

この記事は、石平さんの、こんな言葉で終わっています。

<「トランプ氏の罠にはまってしまった習氏は日本企業を
頼ったり、ロシアと経済一体化を進めるなどの対策を取ら
ざるを得ないだろう。

いずれにせよ、中国経済は『終わりの始まり』を迎えた」

中国経済は「終わりの始まり」を迎えたそうです。

RPEでは、13年前から、「中国経済は、2020年まで
」と書いてきましたが、ホントにそんな感じになってきま
した。

「中国経済は終わりの始まりを迎えた」

安倍総理も、この言葉をよく記憶していただき、中国への
接近しすぎにお気をつけください。

2次大戦。

日本の敗因はいろいろあります。

しかし、大きな失敗は、「負ける国を同盟国に選んでしま
ったこと」でしょう。

日本は今、「勝つ側と同盟国」なので、このまま進めばい
い。

そして、トランプさんとの関係悪化は、なんとしても回避
していただきたいと思います。

(シェールガス、攻撃型兵器の輸入を増やし、アメリカの
対日貿易赤字を減らしましょう。)

~~~~~

「そこまでやらんといかんのですか!」

そう感じる人もいるでしょう。

しかし、もしあなたが中国の対日戦略の全貌を知れば、考
えが変わるでしょう。

こちらを読めば、「対策」まで全部わかります。

●中国に勝つ日本の大戦略 北野幸伯

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