【太陽光発電は人を幸せにするか】(4)3メートル以上の高さのパイプに太陽光パネル 豪雨、強風に耐えられるのか

【太陽光発電は人を幸せにするか】
(4)3メートル以上の高さのパイプに太陽光パネル 豪雨、強風に耐えられるのか

 

架台が非常に高い太陽光発電所。細いパイプで骨組みを作っている=平成29年9月、山梨県北杜市小渕沢町上笹尾(三枝玄太郎撮影)
架台が非常に高い太陽光発電所。細いパイプで骨組みを作っている=平成29年9月、山梨県北杜市小渕沢町上笹尾(三枝玄太郎撮影)

 北杜市太陽光発電を考える市民ネットワークの共同代表、中哲夫さん(68)らの案内で山梨県北杜市の太陽光発電所を見て回った。

 前回までにドラム缶を架台にした発電所、「ぬりかべ」のようなパネルを並べた県道沿いの発電所、民家の周囲に次々と建てられ、ついに訴訟となった発電所を紹介した。

 「まだまだ、問題だと思われる施設はあるんですよ」と、中さんはさらに車を走らせた。

 中央自動車道の小淵沢高速バス停の近く。

 「ここは雑木林を伐採して業者が太陽光発電所にしたんです。おそらくは工事で出たのでしょう。岩や石が放置され、こんな状況です」と中さん。

 「雑草が伸び放題で、発電効率も悪いですよ」と工学博士の同団体共同代表、帆足興次さんも顔をしかめる。

 昨年4月のFIT法の改正で義務づけられたはずのフェンスすらなく、自由に出入りできる。

この発電所をどこの会社が所有しているのかも分からない。

土地の所有者の一人によると、発電所は山梨県の太陽光専門業者という。

「地元で説明会もやった。豪雨が起きると危ないっていう反対意見も出たけど…」

 

   夏は草が繁茂して外からは見えないが、岩石は今も放置されている。

 北杜市高根町箕輪。太陽光発電所には緑色のシートが敷かれている。

シートはチガヤなどの雑草が生えるのを抑えるためのものです。

日本工業規格(JIS)はクリアしています。

が、浸透性が舗装道路よりはあるという程度で、やはり雨水の多くはシートの外へ流れてしまいますので、表面流水の処理施設が不可欠だと思います」と帆足さん。

 発電事業主は、近隣の山梨県韮崎市の内藤久夫市長(64)のいとこが社長を務める「内藤ハウス」だ。

太陽光発電を推進した白倉政司前北杜市長(69)は、平成27年10月、同社の未公開株を取得していたことが発覚。

北杜市庁舎建設や、同市肝いりだったNEDO発注の施設整備を同社が受注していたこともあって「業者との距離感」が議会内外で問題視されたこともあった。

 北杜市小渕沢町上笹尾。水色の小屋の外壁に「環境破壊 住民無視のソーラー基地 建設反対!!」と書かれている。

この発電所の特徴は人の背丈の2倍ほどもある架台だ。

これだけ高い鉄骨が、豪雨や強風などに耐えられるのか、懸念する声も地元住民らから上がった。

長らく業者の名前も記されていない発電所だったが、改正FIT法を遵守したということだろうか。

プレートには「発電事業者」として個人や法人の名前が、「保守点検者」として山梨県韮崎市の太陽光発電業者の名があった。

だが、この発電所の販売元は今も分からない。

予期せぬ災害でパネルや架台、または周囲が被害を受けたときには、誰が責任を取るのだろうか。

 特徴的なのは、事業主を示すプレートが明示してある発電所が少ないことだ。

フェンスすらない発電所も多かった。

 7月、北杜市の調査で、市内1026カ所のうち、業者名の表示がない施設が314カ所確認されるなど、約4割でフェンスの不備やプレートがないなど何らかの瑕疵(かし)がある発電所があった。

 

6月、北杜市高根町清里に向かった。

別荘地の先にある山裾にあった樫山牧場の跡地。

もともと山梨県が所有していた土地を北杜市に貸与し、酪農を行ってきた。

だが、それも行われなくなったため、太陽光発電用地として牧場用地を雑用地に変更するよう県に申請し、認められた。

 特定目的会社(SPC)の「クリーンエナジー清里の杜」は、北杜市と共同事業で約23ヘクタールのこの用地に平成26年8月、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)を着工した。

 が、裏を返せば、公的機関や大手企業(SPCには大和証券などが参加した)が関わった太陽光事業でも、災害に弱いことに変わりはないという当たり前の事実が浮き彫りになったということだ。(WEB編集チーム 三枝玄太郎)

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