RPE : ★中国がアメリカに勝てない三つの理由

★中国がアメリカに勝てない三つの理由

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

米中貿易戦争が、米中覇権争奪戦争に転化してきた。

少し前までは、「は??トンデモ?」という反応でしたが
、今では、「ですよね~~~~~」というリアクションに
変わってきました。

で、アメリカと中国、どっちが勝つの?

これについて、10月15日号「日本の岐路」の最後にこ
う書きました。

<「というか、中国が勝つというシナリオはないですか?

そんなことを主張している、人たちもいますが・・・・」

ありません。>

今回は、「なぜ中国は勝てないのか?」

クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授が解
説してくださいます。

出所は、産経新聞10月16日付。

▼ソ連の興隆と崩壊

皆さんご存知のように、世界初の共産国家ソ連は、191
7年の「ロシア革命」で誕生しました。

ソ連は、第2次大戦中、アメリカ、イギリスと組んでナチ
スドイツをぶちのめした。

それで、戦後は、一気に勢力を拡大します。

東欧、中国、北朝鮮などを共産化した。

そもそも共産国家の「国是」は、「資本主義を打倒して、
共産主義世界をつくる」こと。

資本主義、民主主義の国々とソ連が対立するのは必至でし
た。

<米ソ冷戦初期のころ、ソ連がやがて米国を追い越すこと
になると考えられていた。

共産主義が欧州に浸透し、ソ連経済は今の中国のように年
6%近い成長だった。

ブレジネフ時代には550万人の通常兵力を持ち、核戦力
で米国を追い抜き、ソ連から東欧向けの援助が3倍に増え
た。>(同上)

そうなんです。

かつて、「ソ連はアメリカを追い越す」と思われていた。

私が子供だった70年代は、そんな風に考えられていまし
た。

今では、想像もできませんね。

<だが、おごるソ連システムに腐食が進む。

一党独裁体制の秘密主義と権力闘争、経済統計の水増しな
どどこかの国とよく似た体質である。

やがてソ連崩壊への道に転げ落ちていった。>(同上)

↑メインテーマではないので、簡単に書いていますが。

80年代になると、ソ連は急速に衰退していきました。

レーガンさんは、ソ連を「悪の帝国」とよび、対決姿勢を
鮮明にした。

サウジアラビアの協力をとりつけ(ソ連の主要な外貨収入
源である)原油価格を下げた。

さらに軍拡競争をソ連にしかけ、同国経済を破壊した。

ソ連は1979年、アフガンに侵攻。

この無益な戦争も、ソ連の寿命を縮めました。

▼習近平の独裁は、ソ連崩壊を繰り返さないため

<ソ連共産党が91年に崩壊したとき、もっとも衝撃を受
けたのが中国共産党だった。

彼らはただちにソ連崩壊の理由を調べ、原因の多くをゴル
バチョフ大統領の責任とみた。>(同上)

実をいうと、大変多くのロシア人も(おそらくプーチンも)

「ゴルバチョフのせいでソ連は崩壊した」と考えています。

私が90年、モスクワに留学したとき、メチャクチャ驚い
たことが二つありました。

一つは、ソ連人が、例外なく「親日」だったこと。

二つ目は、日本で愛されていたゴルバチョフの人気が全然
なかったこと。

中国は、ソ連崩壊から、どんな教訓を得たのでしょうか?

おそらく「ゴルビーはリベラルすぎた」というのが、最大
のものでしょう。

それが、習近平の政策に影響していると考えられます。

ゴルビーは、民主化を進め、ソ連は崩壊した。

それで習は、独裁化を進めている。

ゴルビーは、言論自由化を進め、ソ連は崩壊した。

それで習は、言論統制をますます強化している。

ゴルビーは、国家の経済への介入を弱め、ソ連は崩壊した。

それで習は、経済への介入をますます強めている。

要するに、習近平は、ゴルバチョフと正反対のことをして
いる。

といっても、それでうまくいくわけではなさそうです。

▼中国三つの弱点

ミンシン・ペイ教授は、中国の三つの弱点をあげています。

<中国はまず、ソ連が失敗した経済の弱点を洗い出し、経
済力の強化を目標とした。

中国共産党は過去の経済成長策によって、一人当たりの名
目国内総生産(GDP)を91年の333ドルから201
7年には7329ドルに急上昇させ「経済の奇跡」を成し
遂げた。

他方で中国は、国有企業に手をつけず、債務水準が重圧と
なり、急速な高齢化が進んで先行きの不安が大きくなる。

これにトランプ政権との貿易戦争が重なって、成長の鈍化
は避けられない。

しかも、米国との軍拡競争に耐えるだけの持続可能な成長
モデルに欠く、とペイ教授はいう。>

・国有企業に手をつけない

・債務水準が重圧

・急速な高齢化

・貿易戦争

で成長の鈍化は避けられないと。

「急速な高齢化」について、「一人っ子政策」がつづいて
いたので、理解できますね。

日本以上のスピードで高齢化が進んでいきます。

債務について。

国有企業の債務残高は2017年末、GDP比159%。

さらに家計債務も膨大。

中国の家系債務の対可処分所得比率は107.2%。

これは、リーマンショック直前のアメリカ家計債務の水準
に近いレベルだそうです。

<第2に、ソ連は高コストの紛争に巻き込まれ、軍事費の
重圧に苦しんだ。

中国もまた、先軍主義の常として軍事費の伸びが成長率を
上回る。

25年に米国の国防費を抜き、30年代にはGDPで米国
を抜くとの予測まである。

だが、軍備は増強されても、経済の体力が続かない。

新冷戦に突入すると、ソ連と同じ壊滅的な経済破綻に陥る
可能性が否定できないのだ。>(同上)

2017年の軍事費をみると、

アメリカ、6097億ドル。

中国、2282億ドル。(ストックホルム国際平和研究所

の推計)

中国の軍事費は、日本の防衛費454億ドルの5倍です。

一方、アメリカの軍事費は2017年、GDP比で3.15%。

中国は、1.91%で、メチャクチャ多いというわけではあり
ません。

問題は、

<軍備は増強されても、経済の体力が続かない。>

という部分なのでしょう。

<第3に、ソ連は外国政権に資金と資源を過度に投入して
経済運営に失敗している。

中国も弱小国を取り込むために、多額の資金をばらまいて
いる。

ソ連が東欧諸国の債務を抱え込んだように、習近平政権は
巨大経済圏構想「一帯一路」拡大のために不良債権をため
込む。

確かに、スリランカのハンバントタ港のように、戦略的な
要衝を借金のカタとして分捕るが、同時に焦げ付き債務も
背負うことになる。

これが増えれば、不良債権に苦しんだソ連と同じ道に踏み
込みかねない。>(同上)

ソ連は、それこそ世界中を支援していたのですね。

東欧、中東、アフリカ、東アジア、東南アジア、中南米。

それに、資本主義国の共産党まで。

「世界を共産化する!」なんて決意すると、金がいくらあ
っても足りません。

中国も、「中国の夢」とかいいはじめたので、金がかかり
ます。

というわけで、

ペイ教授の説をまとめると、

1、「国有企業に手をつけない」「債務水準が重圧」「急
速な高齢化」「貿易戦争」で成長の鈍化は避けられない。

2、軍拡が経済を圧迫する。

3、一帯一路構想で、不良債権が膨らむ。

結局、「経済的に破たんする」という話なのですね。

ペイ教授の結論は?

<かくて、ペイ教授は「米中冷戦がはじまったばかりだが
、中国はすでに敗北の軌道に乗っている」と断定している
。>(同上)

同感です。

近々訪中される安倍総理。

くれぐれも、中国に接近しすぎないようご注意ください。

軍事同盟国アメリカから「シンゾーは裏切り者」と思われ
ないように。

~~~~
PS1

そんな中国には、明確な「対日戦略」があります。

日本を破滅させるための戦略があり、積極的に動いている。

どんな戦略?

日本が勝つ方法はあるの?

こちらを読めば、全部わかります。

●中国に勝つ日本の大戦略 北野幸伯

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●PS2

「中国に勝つ日本の大戦略」は、主に「外交」の話でした。

しかし「内政の話もする必要があるな」ということで、現

在本を書いています。

いままでの本とは、全然違う感じになりそうなので、楽し
みにしていてください。

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