【安倍政権考】官邸籠絡し増税ラッシュ実現 周到な財務省の作戦 真の狙いは政権弱体化!? NO.2

【安倍政権考】
官邸籠絡し増税ラッシュ実現 周到な財務省の作戦 真の狙いは政権弱体化!? NO.2

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 企業がため込む内部留保をはき出させたい官邸の意向を反映し、法人税率を引き下げる一方、個人向け税制で増税を認めさせたのも、軽減税率導入の旗を振る公明党に対する官邸の配慮を見透かしていた。

官邸の“追認機関”と揶揄(やゆ)されて久しい自民党税制調査会(宮沢洋一会長)の影響力低下を財務省は利用し、立ち回った印象さえある。

 とはいえ、財務省が悲願とする消費税率10%への引き上げが再々延期される可能性は今後もくすぶり続ける。

首相は衆院選直後に「経済状況にかかわらず(消費税率を)引き上げるということではない」と述べている。

景気が失速しかねない消費税増税に首相が慎重になるのは当然だからだ。

財務省も「首相は財務省を信用していないからな…」(主計局幹部)と不安を隠さない。

    ×  ×

 それでも、財務省の1人勝ちではないか-と思うのは、一連の増税が今後、政権へのダメージにつながるおそれがあるためだ。

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 「消費税率を上げるためには安倍政権を倒すしかない」。

約3年前、26年11月に首相が消費税率10%への引き上げを延期した直後、ある財務省幹部はこう言い放った。

消費税増税の2度の延期は、いまなお財務省に大きな敗北感を残したままだ。

 首相は衆院選で消費税増税を約束した上、30年度税制改正では個人向け税制で複数の増税が決まった。

介護保険料や健康保険料も上昇しているのを合わせれば国民の負担は確実に高まった。

自民党は衆院選で、消費税増税以外、増税については公約も説明もほとんどしていない。

にもかかわらず、有権者を代表する国会では議論はされなかった。

自民党税調でも増税に対する目立った異論は出ず、あっさり了承された。

事実上、衆院選の圧勝を背景に、官邸主導で国民の負担増を決めたといっていい。

 官邸は所得税改革で増税を高所得者に限定し、国民の反発を和らげたつもりだろう。

確かに会社員の格差是正には一定の効果が期待できるが、所得がガラス張りで取りやすい会社員が狙い撃ちされた印象が強い。

公平を前提とする税制で不公平感が強まれば、国民の納得は得られない。

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 高齢化で膨張し続ける社会保障や、人口減少に立ち向かい、生産性向上の鍵を握る教育に必要な費用を国民全員でどう負担していくのか。

社会を支える税のあり方で国民的議論なしに増税が先行すれば、将来不安は拭えない。

そうした国民心理は国民総生産(GDP)の約6割を占める消費を押し下げるだろう。

アベノミクスが失速すれば、消費税増税はおろか、政権への打撃となる。

増税ラッシュを決めた政権が31年夏の参院選をどう戦うのだろう?

 政策の結果責任を取るのは官僚でなく政治だ。

財務省は官邸に従いつつ、時に官邸との共闘を演じながら、増税を実現するだけでなく、ひそかに政権弱体化のシナリオを描いているのではないか。

官邸は財務省の手のひらで踊らされてはいないか。

無用の心配であればいいのだが。 (政治部 小川真由美)

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