[安倍政権考] 官邸籠絡し増税ラッシュ 周到な財務省の作戦 NO.1

2017.12.21 07:00更新

【安倍政権考】
官邸籠絡し増税ラッシュ実現 周到な財務省の作戦 真の狙いは政権弱体化!? NO.1

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 政府が今月取りまとめた幼児教育無償化など2兆円規模の政策パッケージと、与党の平成30年度税制改正大綱は、永田町では「官邸主導」「安倍1強」の成果といわれる。

しかし、本当の“勝者”は財務省だろう。

安倍晋三首相(自民党総裁、63)は10月の衆院選で、31年10月の消費税率10%への引き上げ分の使途として教育無償化の財源を追加することを約束し、圧勝した。

菅義偉官房長官(69)肝いりの国際観光旅客税の創設など官邸の意向をくみつつ、所得税改革は増税メニューを並べた。

官邸への徹底した面従腹背で増税への道筋をつけた財務省の真の狙いとは-。

 「さすがに次は延期はできないよな」。

自民党が圧勝した衆院選投開票日翌日の10月23日、ある財務省幹部は満足そうに周囲にこうつぶやいた。

同省の別の幹部も「消費税増税は有権者との約束だ。

さすがに3度の延期はあり得ない」と語気を強めた。

 消費税の税率は平成26年4月に5%から8%に引き上げられたが、10%への引き上げについて、首相は景気の失速懸念を理由にこれまで2度延期した。

10月の衆院選での自民党勝利は、消費税増税を悲願とする財務省にとって“3度目の正直”に大きく前進したことになる。

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    ×  ×

 振り返ると、財務省の周到な“作戦”は今年始めからスタートしていた。

 首相は1月20日、施政方針演説で教育無償化をテコにした憲法改正の実現に意欲をにじませた。

これを受け、財務省は教育無償化が今年末の30年度税制改正と予算編成の焦点になると見定めていた。

 憲法改正の呼び水である教育無償化を実現するには数兆円規模の財源が必要だ。

だが、財政が厳しい中、大盤振る舞いは難しく、財源を確保するには新たな借金である国債発行か増税しかない。

財務省は「首相は悲願の憲法改正のためなら消費税増税を決断する」(幹部)と考えた。

 実際、首相は下村博文元文部科学相(63)ら文教族を中心に、無償化の具体策や財源確保のあり方を議論するよう指示した。

自民党は党総裁直轄の「教育再生実行本部」にプロジェクトチーム(PT)を設置し、教育に使途を限定する「教育国債」の発行を検討し始めた。

大学までの高等教育無償化で優秀な人材が増えれば経済が底上げされ、将来の税収増に結びつくとの考えで、PTは事実上、教育国債創設の主戦場だった。

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 だが、党内から一斉に批判が上がった。

麻生太郎財務相(77)は「将来への借金のつけ回しだ」と批判し、「こども保険」を提唱した当時の小泉進次郎党農林部会長(36)も「国の根幹だという理由で教育国債がありなら、農業国債も科学技術国債もありになる」と反発した。

教育国債発行の議論が急速に尻すぼみになった背景には、日頃から自民党議員への根回しを欠かさない財務省の暗躍があったといわれる。

 衆院選でも財務省の戦略が反映された。

森友・加計学園問題で自民党の支持率が急落する中、首相は9月に野党の足並みの乱れを突く格好で解散を決断した。

首相の看板政策である「人づくり革命」と、国民的人気がある小泉氏が提唱する「こども保険」の考え方を一部取り入れる形で幼児教育無償化を公約の柱に掲げ、圧勝した。

 首相が衆院解散の理由に掲げた消費税増税に伴う増収分の使途変更は、実は財務省が今春、官邸に提案した秘策だった。

旧民主党政権下で成立した消費税増税法は増収分の大半を借金返済に回す仕組みで、国民は恩恵を感じにくく、首相が冷淡なのは事実だ。

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 財務省は財政の健全化を示す基礎的財政収支(PB)の32年度黒字化目標を自らなげうち、増収分を首相が熱意を持つ教育政策に使うアイデアを示すことで、増税回避となる事態を防ぐ思惑だった。

首相が31年10月の増税を再々延期する一方、選挙公約の教育無償化を断行すれば財政悪化は避けられない。

財務省は一か八かの賭に出たともいえる。

    ×  ×

 衆院選での自民党圧勝は財務省の追い風になった。

急ピッチで議論が進んだ30年度税制改正大綱は、賃上げと設備投資を促す企業向けの法人減税の一方、所得税改革では高所得者の負担増やたばこ税増税を盛り込んだほか、国際観光旅客税と森林環境税が創設された。

 予定通り消費税率が10%に上がれば、食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率が導入されるが、必要な約1兆円の財源のうち6000億円はいまだに手当できていない。

財務省は30年度税制改正で少しでも税収を確保する必要があった。

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