■■ 国際派日本人養成講座 ■■ Common Sense: 日本人の「根っこ」の伸ばし方

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        Common Sense: 日本人の「根っこ」の伸ばし方

 他者をリスペクトすることから、自己肯定感が育ち、自分を支えてくれる「根っこ」が伸びる。
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日本会議 神奈川 設立20周年記念大会
-門田隆将氏   横浜に来たるー

日時12月2日(日)15:00~
会場ローズホテル横浜 2階
第1部 記念大会 15:00~

第2部 記念講演 16:00~
■「毅然と生きた日本人 草の根の国民運動に期待するもの」
■講師 門田 隆将 氏 (ノンフィクション作家)
第3部 祝賀会17:45~
参加費 第1部・第2部: 1000円
祝賀会まで参加:10000円

■要 申込。参加費は当日受付にてお支払いください。

お問い合わせ お申し込みは「工藤」まで
fujisawa.s2.oshabericafe@gmail.com
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■1.「国際派日本人選手」たち

 最近はスポーツの国際舞台で日本人選手が大活躍だ。

この11月10日には紀平梨花選手(16歳)がフィギュア・スケートのシニア(15歳以上)のグランプリ・NHK杯で、デビュー戦での初優勝という日本人初の偉業を成し遂げた。

 男子フィギュアでは羽生結弦(はにゅう・ゆづる、23歳)選手が、2014年ソチ、2018年平昌とオリンピック男子シングル種目では66年ぶりの2大会連続優勝。

大谷翔平選手(24歳)は球聖ベーブ・ルース以来と言われる二刀流で、打っては22本塁打、投げては4勝という成績を上げて新人王を獲得した。

 9月の女子テニス、USオープンでは、大坂なおみ選手(21歳)が日本人として初めて4大大会で優勝。

7月のジャカルタ・アジア大会では、水泳の池江瑠璃子選手(18歳)が6冠を達成し、金メダル数でアジア女子の一大会最多獲得記録を塗り替えた。

 日本人選手の近年の活躍ぶりは、夏期オリンピックのメダル数でも歴然としている。

1964年の東京大会以降のメダル数合計で見れば以下のようになる。(X:24個以下、△:25~34個、○:35個以上)

  大 会         メダル数計
  ’64  東京             29 △
  ’68  メキシコ         25 △
  ’72  ミュンヘン       29 △
  ’76  モントリオール   25 △
  ’80  モスクワ   不参加
  ’84  ロサンゼルス     32 △
  ’88  ソウル           14 × ↓低迷
  ’92  バルセロナ       22 ×
  ’96  アトランタ       14 ×
  ’00  シドニー         18 ×
  ’04  アテネ           37 ○ ↓復活
  ’08  北京             25 △
  ’12  ロンドン         38 ○
  ’16  リオデジャネイロ 41 ○

 時代別に見ると、’84年ロサンゼルス大会までは△だったのが、’88年ソウルから’00シドニーまで×が4連続、その後、’04アテネで復活、’08北京を除いて○が続き、’16リオでは史上最高の41個に到達した。

 

最近の日本選手の活躍はこの流れの延長線上だろう。

■2.自虐史観とメダル数の相関

 しかし、’88ソウルから’00シドニーまでの急激な低迷は何が原因だったのか?

 筆者が思い出すのは、80年代後半から90年代にかけて、選手の間で「五輪を楽しみたい」という言葉が流行り、それに非常な違和感を感じたことだった。

「個人的に楽しみたいなら、自分のお金で出るべきだ。

国のお金で五輪に参加させて貰っているなら、なぜ国民の代表として頑張ります、と言わないのか」と思った。

 メダル数が復調したアテネでは、選手達の意識も変わってきていて、卓球の福原愛選手は4回戦で敗退したが、試合後、記者から「楽しめましたか」と聞かれて、「楽しむために来たわけじゃないんで、私は」と答えた。

それまでとは違って、「国民の代表として来ている」という使命感が甦りつつあった。[a]

 平成14(2002)年の日韓サッカー・ワールドカップでは、満員の観客席で大小無数の日の丸が打ち振られ、頬に日の丸をペイントした若者たちが、「ニッポン! チャチャチャ」と気勢を上げた。

そうした光景に、朝日新聞は「この機会に、日の丸・君が代の強制がさらに進むのではないか」と「心配」したほどだった[b]。

 朝日の「心配」は的中した。

1980年代から朝日新聞も翼賛して広めた自虐史観教育の罠から、日本国民は2000年代には抜けだし始め、健全な愛国心に基づく元気を回復しつつあった。

その結果が、メダル数の回復につながった、と弊誌は見ている。

 自虐史観とは、日本国民に「日本は悪い国だ」と教え込む洗脳だった。

自尊心は、その人の成長や能力発揮の必須の条件という学説が、現代心理学では主流になってきているようだ。

自虐史観の盛衰がメダル数の低迷・復調に相関しているという現象は、この学説で説明できるのではないか。

■3.「自分らしくのびのびと、他人ともよい関係を保ちながら」

 精神科医で「対人関係療法」の第一人者と言われる水島広子氏は、「自己肯定感」という用語をキーワードとして、次のように定義している。

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 自己肯定感とは、自分らしくのびのびと、そして他人ともよい関係を保ちながら生きていくための栄養のようなもの、、、[1, 363]

「自己肯定感」とは、「優れた自分」を誇りに思うことではありません。

「ありのままの自分」をこれでよいと思える気持ちです。[1, 122]
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 対人関係に悩むのは、多くの場合、自己肯定感が低いことが原因だと、水島氏は言う。

たとえば、自己肯定感が低い人は:

・「ありのままの自分」をさらけ出す事ができず、他の人との心の通った交流ができなくなる。
・常に周囲の人の評価を気にして、批判を受けたり、悪口を言われると、みな自分のせいだと思い込む。
・周囲の人に、自分を理解して欲しい、気遣って欲しいと他人依存型になる。自分が相手のために何かできる、という事に気がつかない。

 自虐史観教育で「自己否定感」を刷り込まれると、「自分なんかが金メダルをとれるはずがない」などと思い込み、「国のために頑張る」と言える柄じゃないと考えて、「楽しみたい」と小さな自分に閉じこもってしまう。

 それに比べると、冒頭で紹介した国際舞台で大活躍している選手たちは、いかにも「自分らしくのびのびと、そして他人ともよい関係を保ちながら」頑張っているように見える。

■4.自尊心=自信+自負

 自己肯定感を含む「自尊心(Self-esteem)」に関する研究の先駆者が、ナサニエル・ブランデンである。

1960年代から研究を始め、今日のブームを築いた。彼によれば、自尊心は人間の基本的な欲求であり、次の二つからなる。(用語は拙訳)

・自分の人生に取り組んでいく能力に関する「自信(self-efficacy)」
・自分が価値ある存在であるという「自負(Self-respect)」

 自分の能力に自信がある人は高い目標に挑戦し、困難にもよく耐え、その結果、成功すれば、さらに自信を深めるという善循環が生ずる。

たとえ失敗しても、自信を持っているから、次は別のアプローチで挑戦しようと、すぐに立ち上がる。

自信がない人は、はじめから挑戦を諦めてしまうので、いつまでも成長できない。

 自負の強い人は、自分の目指すものの価値を信じ、それを目指す自分自身の価値を疑わない。

拙著『世界が称賛する 日本の経営』[c]では、明治以降の日本経済を築いた経済人たちを紹介したが、たとえば豊田佐吉は自動織機の開発に生涯を賭け、本田宗一郎は世界一の二輪車メーカーになるという夢を追った。

 自分が取り組んでいることの価値を信じ、それを追求する自分の能力に自信を持っている。

そういう生き方をしている人は成功の確率も高くなる。

近年の国際舞台で活躍している日本人選手たちも、そんな生き方をしているのではないか。

■5.傲慢な国、卑屈な国

 自尊心が強すぎると傲慢になってしまうのでは、と何事にも控えめな日本人は考えてしまうが、ブランデンはこう答える。

傲慢になるのは、自尊心が足りず、自分を護るために他者を見下す必要があるからだと。

自尊心が十分にあれば、他人と比べる必要など感じないから、他者にも自然に振る舞うことができる。

「自尊心は精神の健康状態であるから、肉体が健康すぎて良くない、という事があり得ないように、自尊心がありすぎてよくない、という事はない」と彼は言う。[2, p19]

 個人の心理について言えることは、集団心理でも同様である。

例えば、近隣諸国で、ことさら我が国に対して傲慢尊大に振る舞う国があるが、それも自尊心が不十分だからだろう。

なにしろ、2千年ほども隣の大国に臣従してきたのである。

 逆に、我が国も近年の自虐史観から自尊心が不十分で「常に周囲の人の評価を気にして、批判を受けたり、悪口を言われると、みな自分のせいだと思い込む」傾向を身につけてしまった。

 自尊心に関するノウハウ本で100万部も売れたベストセラー『うまくいっている人の考え方』で著者ジェリー・ミンチントンは次のように言っている。[3]

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 すべての人は、「自分の思いどおりに生きる」という他人の権利を犯さないかぎり、自分の思いどおりに生きる権利がある・・・[2, p95]
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「慰安婦問題」やら「南京大虐殺」などで、我が国に「心からの反省と謝罪を」などとお説教する国々に関しては、ミンチントンは「もしあなたがこういう人の言うとおりになっているとしたら、あなたはさらにひどい思い違いをしていることになる」と指摘している。

■6.「他人をリスペクトすること」

 自尊心の研究は、当然、自尊心を育てるにはどうするか、という課題に向かう。

自尊心は他者との比較の上に成り立つものではないから、「一流大学を卒業した」とか「一流企業の社員だ」などという自慢からは真の自尊心は得られない。

上には上がいるし、下を見下して成り立つのは傲慢さだけで、それは自尊心の欠如でしかない。

 水島広子氏は「他人をリスペクトすること」を勧めている。

「リスペクト」とは、相手のそのままの姿を認め、そこに価値を見いだすことである。

そして、このリスペクトはあらゆる人やものに対して持つことができるという。

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 通りすがりの人、いつも見慣れた環境、いつも応対してくれる店員、自宅まで荷物を配送してくれる宅配便の人、たった今食べているもの、あるいは「今この瞬間」……これらを改めてリスペクトしてみると、人生の質がぐっと上がるのが感じられると思います。

 なぜかと言うと、かけがえのないものに囲まれて、一生懸命生きている自分や他人の姿を感じられるからです。[1, 1428]
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 他者が「一生懸命に生きている」その姿そのものが尊い、という感覚が得られれば、それらの人々とのつながりも感じられ、小さな親切も気軽にやれるようになる。

そして、そういう姿勢で生きている自分自身の価値も感じられるだろう。

■7.国際派日本人の育て方

「他者をリスペクトする」という方法は、国際派日本人を育てるにも有効である。

 筆者は過去に太平洋上の島嶼国家ツバル(人口1万人)、イタリアの山中にある世界最古の共和国サンマリノ(人口3万1千人)、カリブ海の島国セントクリストファー・ネイビス(人口5万2千人)などから来た人々と出会ったが事があるが、極小サイズながら独立国として「一生懸命生きている」姿に深い共感を覚えた。

 同時に、こういう極小国にも、我が国が長年、対等の友好関係を築き、必要に応じて様々な人的、経済的援助もしている事に、日本国民としての自尊心を感じた。

大国や先進国だからといって無闇にへりくだらず、小国や貧しい国々にも敬意を払う、そういう姿勢が国際派日本人の基本である。

 さらに筆者は国際社会で生きていくには、日本人としての「根っこ」が必要だと説いてきた。

その「根っこ」を太く、深く伸ばすためには、我が先人たちがそれぞれの時代の環境や制約の中で、「一生懸命に生きてきた」姿をリスペクトすることが有効だと考える。

 我が先人たちの足跡には、成功もあれば、失敗もあった。

成功したから偉いのではなく、失敗したからダメなのではない。

多くの先人たちが、当時の国民同胞のために、そして後世の我々のために、懸命な努力をしてくれた。

その生き様を素直に尊い、有り難い、と思う処から、自己肯定感が育つ。

日本人の「根っこ」とは、祖国に対する自己肯定感に他ならない。

■8.太古からの日本人の自己肯定感

 水島広子氏はこの著書のあとがきを、次のように結んでいる。

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 最終的に人は、あらゆるものをリスペクトすることができます。
 それは、今この地球に生きていること全体を恵みとして受け取るということ。
 そうすれば、自分がここに生きていることがすばらしい奇跡のように感じられるでしょう。
 そんな心境に達することができたとき、私たちの自己肯定感はかぎりなく高まっていると言えます。[1, 1439]
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 太古の我が先人たちは自然の中のすべての「生きとし生けるもの」を神の「分け命」と見て「リスペクト」した。

その大自然の中で生かされている事への感謝から、毎朝、朝日を拝み、食事の際には植物や魚の命を「いただきます」と手を合わせる。

そういう万物への限りなき共感と感謝の中で、我々日本人の自己肯定感は育まれてきたのである。

 この太古からの自己肯定感を思い出せば、それはそのまま21世紀のグローバル社会に活躍する国際派日本人を最も深いところで支える「根っこ」となるだろう。
                                        (文責 伊勢雅臣)

■リンク■

a. JOG(360) 金メダル以上の幸せ
 レスリング浜口京子選手は「国民のみなさんとともに金メダルへ向かってともに戦えたことが幸せ」と語った。
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h16/jog360.html

b. JOG(244) ワールド・カップと愛国心
 朝日新聞はスタジアムで日の丸を振ったり、ペインティングしたりしている若者を心配するが、、、

c. 伊勢雅臣『世界が称賛する 日本の経営』、育鵬社、H29
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594076858/japanonthegl0-22/
アマゾン「日本論」カテゴリー 1位(3/6調べ)

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■『世界が称賛する 日本の経営』へのアマゾン・カスタマー・レビュー 37件、五つ星評価4.9

■★★★★★日本の企業は世界から信頼されている(海外に住んでみて)(アマゾンカスタマー、ベスト100レビュアー)

 政府の途上国援助(ODA)に関わる主人と一緒に東南アジア途上国に住んだ私の経験や、南米やアフリカなど他の国に赴任したファミリーからの話で印象に残ったことがある。

 外国にいる間、何らかの事情で政情不安という状態が起きた時でも、どうしても外出しなければならない場合があるもの。

その国の事情にもよるし人にもよるが、日本人は自分の車に、とりあえず「SONY」とか「HONDA」の、旗を立てて走る事があった。

 ODAの政府機関名など現地の人々は知らないが、日本の代表的な企業名なら知っている。

そして、日本企業への信頼は大きく、その企業の関係者だとアピールすれば、治安の悪い街中で検問にひっかかり足止めをされることが少ない。

 また、なにより中国人や韓国人と間違えられて攻撃されることがない!一般的に中韓の方々の評判は、よくない。

約束を反故にするし金払いが悪いからである。

 一方、日本人の乗っている車だと分かって金品を狙われるリスクもある故、一概に良し悪しを断言できないが、日本企業の存在の大きさと経営姿勢が評価されているのだなと思ったものである。

本書は、日本的な経営には「人間」を大切にする素晴らしい点があり、世界から賞賛されている事実を伝えており、面白かった。
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■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 水島広子『自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法』★★★、PHP研究所、H27
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B0177K0SL6/japanontheg01-22/

2.Nathaniel Branden “The Six Pillars of Self-Esteem”★★、Bantam、1994
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B007JK9BAY/japanonthegl0-22/

3. ジェリー・ミンチントン『うまくいっている人の考え方 完全版』★★、ディスカヴァー携書、H25
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4799313282/japanontheg01-22/

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