【田村秀男のお金は知っている】トランプの対中「口撃」で沈む中国経済

【田村秀男のお金は知っている】トランプの対中「口撃」で沈む中国経済

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 トランプ米大統領は今月末、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議の場で習近平中国国家主席と会談する。

 前回の本欄では、筆者がトランプ政権の中枢閣僚、ミック・マルバニー行政管理予算局(OMB)局長から「対中貿易戦争は大統領任期中、あと2年は続ける」と聞いたことを紹介した。

 中国側は何とか休戦に持ち込めないかと、水面下で対米工作を進めている。

変幻自在なトランプ氏のことだから、中国側に期待を持たせて揺さぶる交渉術もありうるのだが、トランプ氏は上記の側近の見立て通り、強硬路線に徹している。

 27日付米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、トランプ氏は同紙との会見で、2000億ドル(約22兆7000億円)相当の中国輸入品に対する関税率を予定通り来年1月に25%に引き上げる考えを示した。

 習氏との首脳会談で税率引き上げの凍結を求める中国側の要求に応じる可能性は「極めて低い」とした。

「交渉がうまく行かなければ、2670億ドル(の輸入品)に対しても関税を発動する」とし、残りの中国輸入品全てに関税を発動する準備を進めていることを明らかにした。

 習政権のほうは、11月中旬に142項目の行動計画を米側に提示していたが、大統領はゼロ回答というわけである。

 トランプ政権は「中国を変える」(マルバニー氏)決意だ。不公正貿易慣行と外国企業のハイテクを不当手段で取り込み、対米貿易黒字を膨らませてきた中国を抜本的に改めさせるつもりだ。

 グラフはトランプ政権の強硬策の根拠と有効性を示すもので、筆者はこれまでにも産経新聞などのコラムでも掲載したが、改めて見ていただこう。

 中国の経済成長を支えてきたのは外貨である。

貿易黒字や外国企業の対中投資で流入する外貨を中国人民銀行が自ら設定する交換レートで買い上げ、人民元資金を国有商業銀行に供給する。

その資金が融資され、インフラ投資、設備投資、さらに不動産開発投資に回る。

つまり、人民銀行の外貨資産が人民元の価値を裏付けることで、紙切れに過ぎないはずの人民元の信用を確保しつつ、金融の量的拡大に邁進(まいしん)してきた。

 その外貨の主力獲得先が米国である。

2008年9月のリーマン・ショック後の米国の対中貿易赤字累積額は人民元資金発行増加トレンドとほぼ並行している。

中国にとって対米貿易黒字がなければ、カネを発行できず、リーマン後の2ケタ経済成長も不可能だっただろう。

 トランプ政権の対中貿易制裁は現時点では、対中貿易赤字削減にはつながっていない。

しかし、「強硬」姿勢そのものに重大な意味がある。

対米黒字の大幅な減少という中国側の恐れ自体が、ドルに依存する中国の通貨金融制度を根底から揺さぶる。

上海株式市場の下落に歯止めがかからないのはもちろん、中国人の人民元に対する信用も怪しくなり、資本が逃げる。トランプ氏の口撃は続くだろう。

(産経新聞特別記者・田村秀男)

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