安倍内閣は、「コンクリートから人へ」継続内閣である。

From 藤井聡(京都大学大学院教授)

安倍内閣は、「コンクリートから人へ」継続内閣である

安倍内閣は、民主党政権の
「コンクリートから人へ」から大きく舵を切って、
公共事業を拡充させた・・・
という論調が新聞各社では書かれています。
(例えば http://archive.gohoo.org/alerts/131229/

ですから、多くの国民、
そして多くの政治家は、素朴に

「安倍内閣は公共事業を拡大させた」

と思っていると思いたり、場合によっては、

「安倍内閣は公共事業バラマキ内閣だ」

とすら思っているものと思います。

・・・が!!

このグラフを見てください。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1635339379900332&set=a.236228089811475&type=3&theater

このグラフは、
政府の公共事業関係費の推移を示したものですが、
特に、2010年以降の推移に着目ください。

2010年~2012年の予算は、
民主党政権が主導して作った予算です。
一方、2013年以降は、安倍政権が主導して作った予算。

ご覧のように、
当初予算と補正予算の合計値に着目すれば、
安倍政権の公共事業費は民主党政のそれよりも低いのです!

その背景には、
2011年と2012年の補整予算が、
東日本大震災の関係で大きかったということがありますが、

結果的には、安倍内閣が、
コンクリートから人へと主張した政権よりも
「少ない」インフラ投資しかしていない
というのが、実態なのです。

もちろん、「当初予算」に着目すれば、
2012年の、民主党政権の末期の「野田政権」時よりも、
安倍内閣のそれの方が「幾分高い」水準になってはいますが、

それでも、「コンクリートから人へ」と言って、
過激に公共事業を削減した「鳩山政権」時と比べれば、
安倍政権の方が、低いのです!

そもそも、安倍内閣における
公共事業関係費の「当初予算」の水準は、
民主党政権が誕生する前のどの政権よりも低い水準。

ピークに比べれば半分以下、
民主党政権直前の麻生内閣の時に比べても、
1兆円近く低い水準になっています。

こうした状況を全て加味すれば、
安倍内閣は決して「公共事業を拡大した内閣」などではなく、
「コンクリートから人へ」路線を、
明白に継続、あるいは、加速している内閣なのです。

ではなぜ、世間に、安倍内閣は
公共事業を拡大したというイメージが
流布されてしまっているのでしょうか?

その重要な原因が
「統計の取り方の変更」にあります。

実は、安倍政権になって二年目の2014年に、
それまで公共事業費にはカウントされていなかった社会資本特会」が、
公共事業費にカウントされるようになったのです!

その結果、安倍内閣は、
2014年に公共事業を増やしたと
「見える」ようになってしまったのです。

ですが、社会資本特会は、
昔から存在しているものですから、
別に、公共事業が実態上増えたわけでもなんでもなかったわけです

にもかかわらず
その「統計マジック」のせいで、

安倍内閣の公共事業は、民主党時代よりも
高い水準であるかのような印象が
世間に流布されてしまうようになったわけです。

上で紹介したグラフは、
その影響を除去して作ったもので、
世間に流布されているものとは違って
「本当の公共事業の増減」が見て取れるようになっているものですが、

それを見れば、安倍内閣が、
「コンクリートから人へ」継続内閣であることが、

さらに言うなら、トータルの事業費は縮小していることを勘案するなら、
「コンクリートから人へ」加速内閣ですらある、という真実が、
はっきりと分かるようになったという次第です。

これは大変に深刻な問題です。

なぜなら、安倍内閣が終わった時に、

「安倍内閣は、公共事業バラマキ政権だった」

という完全に事実とは「正反対」の
間違ったフェイク・イメージが残っていれば、
次の政権は間違いなく、
公共事業をさらに過激に削減することになるからです。

そうした最悪の未来を回避するためにもまずは、
少なくとも現時点における安倍内閣が、

コンクリートから人へ「継承」内閣

あるいは

コンクリートから人へ「加速」内閣

である事をしっかりと、
ご認識頂きたいと思います。

そして、国民の生命を守る防災減災を進めたり、
地方の疲弊を食い止めるためには、
公共事業費を拡充し、適切なインフラ投資を安倍内閣が加速させるべきなのだ

という「当たり前の認識」を、
しっかりとお持ち頂きたいと思います。

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