「安倍政権崩壊近し」From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

三橋貴明の「新」経世在民新聞  2019/2/07

「安倍政権崩壊近し」

From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

6年間続いた安倍内閣が、
いかに格差拡大・国民貧困化内閣であったかについては、

拙稿「急激な格差社会化が進んだ平成時代」で示しました。
https://38news.jp/economy/12983

加えて、昨年の臨時国会における
移民法と水道民営化法の
審議ぬきの強行採決、

今国会で追及されている
月刊勤労統計の捏造問題。

安倍政権はいよいよそのメッキが
文字通り完膚なきまでにはがれ、
いまやその存続が危ぶまれています。

このうえ、
消費増税に踏み切れば、

安倍政権は、
国民生活の実態を嘘で塗り固め、
日本の滅亡を一気に加速させた政権として、
歴史にその名を遺すでしょう。

安倍政権だけでなく、
日本政府は、長年にわたって
「無計画」のままにグローバリズム
(≒市場原理主義)を取り入れてきました。

冷戦崩壊後顕著となった、
アメリカ由来のヘンな「自由」イデオロギーに
みんながかぶれてしまったのです。

もともと国家の適切な関与なしに、
国民経済がうまく行くはずがありません。

しかし日本政府も野党も、
長期的、総合的な視野を喪失し、

国をコントロールすることができず、
国民はバラバラにその場の利益追求に走るだけとなりました。

結果的に、貧富の格差が
急激に開いてしまったのです。

政府は、ことここに至っても、
事態を反省する気もないようです。

これは、マルクスが、
彼の生きた時代に出会っていた事態に、
一歩一歩逆戻りしていることを意味します。

しかも厄介なのは、
彼の時代と違って、

現在の先進国では
産業資本を主体とする
実体経済への関心が衰え、

金融資産や株主配当だけで巨富をかせぐ
金融資本主義が異様に肥大していることです。

そうして、それが
自由に世界を飛び回っているのです。

国家は、自国民の生活を守るために、
この金融グローバリズムの
防壁となることができていません。

これでは、貧富の格差はますます開くでしょう。

福沢諭吉は140年前に、
次の四点を強調しています(『民間経済録二編』ほか)。
カッコ内で意訳してみます。

①人生の要訣はただ働くにあり。
高利の工夫依頼すべからざるなり。

(人間生活を支える根本は生産労働である。
金融資本に過度に依存し、
大株主だけが利益を得るような経済は歪んでいる)

②銀行に最第一の禁物は、
投機の商売、これなり。

(金融機関は、市場の資金の預かり・貸出業務に徹するべきで、
投機に手を出してはならない)

③今ここに国財をもって鉄道を作るか、
または人民のこれを作る者に特別の保護を与えん。(中略)
深林の材木厳山の鉱物もにわかに市場の価を生ずるなど、
すべて天然に埋没したるものを発出するその利益は挙げて言うべか
らず。
国財を費して国益を起すものというべし。

(国家が大胆な財政出動によってインフラ整備に資金を投じ、
また民間企業でこれに携わる者に特別の保護を与えれば、
眠っていた資源にたちまち大きな市場価値が生じ、
しかも国益を増大させることにつながる)

④国事の大なるものは
これを人民個々の私に委ねるよりも、
政府の公に握る方、経済の為に便利なるもの少なからず。

(公共的な事業は、私企業に任せるよりも、
政府が握った方が、国民生活に役立つものが多い)

最後の④の例として、福沢は、鉄道、電信、ガス、水道を挙げ、
これに鉄の生産も加えています。

福沢が日本近代の黎明期に、
いかに資本主義の健全な発展にとって、
国家の役割を重視し、過度な金融資本の
跋扈(ばっこ)を警戒していたかがわかります。

平成の三十年間、日本政府は
これと真逆のことばかりやってきました。

いまさら言うまでもなく、
財務省の緊縮真理教と、
竹中平蔵を中心とした規制緩和路線とがその元凶です。

この傾向は、今年も収まりそうにありません。

昨年の土壇場になって、
ようやく国土強靭化のために、
単年度会計ではなく、三年間で7兆円の予算が
組まれることが閣議決定されました。

それにしても、これは補正予算ですし、
しかも年間わずか2.3兆円です。

やらないよりはやった方がいいですが、
これでは焼け石に水というべきでしょう。

しかも今年は、
消費増税による消費の大幅な縮退、
東京五輪向け投資の終焉、
いわゆる「働き方改革」によるGDPの減少が予想されています。
日本が三等国家に落ちぶれる日は近いでしょう。

これを少しでも食い止めるためには、
新自由主義の悪夢から一刻も早く醒めて、
公共財、公共サービスに関する政府の関与を強めることが必要です。

しかしもはや、いまの政府には、
そうしたヴィジョン形成のかけらもない
と言っても過言ではありません。

私たちは、近いうちの安倍政権崩壊を必定とみて、
これを日本における古典近代の終わりと見なす必要があります。

福沢が直面していたように、
健全な資本主義国家再建のために、
政治、経済、社会のあらゆる局面において、
いまから何をなすべきかを新たに構想する必要があるでしょう。

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「消費増税の是非を問う世論調査を実行せよ」
●『「新」経世済民新聞』
・消費税制度そのものが金融資本主義の歪んだ姿
https://38news.jp/economy/12512

・消費増税に関するフェイクニュースを許すな
https://38news.jp/economy/12559

・先生は「働き方改革」の視野の外
https://38news.jp/economy/12617

・水道民営化に見る安倍政権の正体
https://38news.jp/economy/12751

・みぎひだりで政治を判断する時代の終わり
https://38news.jp/default/12904

・急激な格差社会化が進んだ平成時代
https://38news.jp/economy/12983

・給料が上がらない理由
https://38news.jp/economy/13053

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「国民生活を脅かす水道民営化」
●ブログ「小浜逸郎・ことばの闘い」
https://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo
—発行者より—
総理「政権中にこれを破棄できなければ、日本はオシマイ」

三橋貴明と総理との会談時で明かされた真実。

●総理が、三橋との会食をオープンに
(世に公開)してまで国民に伝えたかった事とは…?

●この会食で明らかになった、
私たちの邪魔をする”3つの敵の正体”とは?

●2020年に訪れるかもしれない
日本の危機的状況とは一体何なのか?

日本が発端となり、
2008年のリーマンショックが再来する?

などなどメディアが決して報道しない
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