「検討中」だらけの改正入管法 11の珍言で成立を振り返る NO.2

「検討中」だらけの改正入管法   11の珍言で成立を振り返る   NO.2

経団連会長は改正入管法成立を「歓迎」

中西宏明 経団連会長
「本格的な人口減少を迎える中、社会生活や産業基盤の支え手の確保という課題に真摯に対応したものであり歓迎する」

経団連ホームページ 12月8日

 なぜ政府はこれほどまでに法案成立を急いだのか? 

人手不足の解消を強く要望していたのは経済界だ。

経団連の中西宏明会長は改正入管法の成立を「歓迎する」というコメントを発表した。

経団連は2004年に発表した「外国人受け入れ問題に関する提言」でも「現場で働く外国人の受け入れを巡る問題をいつまでも先送りにすることはできない」という表現で外国人労働者の受け入れを求めている。

 立命館大学政策科学部の上久保誠人教授は、改正入管法の国会審議で安倍政権の姿勢が明らかに変わったと指摘する。

細部は法律成立後に政省令で定めるとして中身のない法案を提出し、野党が何を質問しても政権側は「検討中」と答えるのみ。

「これまでのような、しどろもどろでも答弁しようとする姿勢すら捨てたのだ。

安倍政権に『白紙委任せよ』と求めるに等しい」。

 さらに上久保氏は、「白紙委任」の法案を出して、国会での審議を行わず、強引に成立させたことについて、「『保守派』と『業界団体』の板挟みが生んだ」と解説する。

改正入管法は自民党の支持層である業界団体や地方の要望に応えたものだが、同じく自民党のコアな支持層である保守派の反発を受けている。

しどろもどろの答弁をしていると、保守派からの突き上げを受けてしまうだろう。

来年7月の参院選の勝利を目指すためには、「『白紙委任』の法案を即座に通してしまうという、粗っぽい国会運営」が必要だったのだ(ダイヤモンド・オンライン 12月11日)。

「なぜ導入するのか」に法務省幹部は「総理や官房長官の指示」

菅義偉 官房長官
44年ぶりの人手不足ですから、このままいったら国民生活に大きな影響が出る」

FNN PRIME 11月26日

菅義偉官房長官 ©文藝春秋

 政権内で改正入管法の成立を強く推進したのは、菅義偉官房長官だ。

11月25日の講演でもあらためて同法案の今国会での成立と、来年4月からの新制度導入を目指す考えを強調した。

 9月に行われた講演では、「介護人材が大幅に不足していて、そこに端を発し、さまざまな業種にヒアリングをしたところ、十数業種で外国人材がいなければ事業に大きな支障をきたす」と説明していた(産経ニュース 9月26日)。

10月の外国人労働者の受け入れ拡大策などを検討する関係閣僚会議では、「全国各地の現場では人手不足が深刻化している。

即戦力となる外国人材を幅広く受け入れる仕組みをつくることは急務だ」と発言していた(朝日新聞デジタル 10月12日)。

 10月の自民党法務部会では、来年4月の制度導入を目指す理由を問われた法務省幹部が「総理や官房長官の指示」と答えた場面もあったという(朝日新聞デジタル 12月6日)。

ジャーナリストの田原総一朗氏は、経済学者の高橋洋一氏が「法務省は、外国人労働者を増やすことに反対している」と語っていたことを明らかにしている。

しかし、首相官邸から入管法の改正を要請されていたため、法務省はやらざるを得なかったのだという(日経ビジネスオンライン 12月14日)。

竹中氏「日本において、移民の受け入れは『必然』と考えるべき」

竹中平蔵 東洋大学教授
「日本において、移民の受け入れは『必然』と考えるべき」

『東洋経済』2月3日号

 かねてから外国人労働者の受け入れに対して積極的に発言していたのは、政府の日本経済再生本部産業競争力会議(民間)議員、内閣府国家戦略特別区域諮問会議(有識者)議員、政府の未来投資会議メンバーなどを務め、同時にパソナグループ取締役会長、オリックス社外取締役などを務める竹中平蔵氏である。

雑誌『東洋経済』でのインタビューでは「社会や経済を支える労働資源を確保する手段として、海外からの移民の受け入れが必要だ」と強調していた。

竹中平蔵氏 ©文藝春秋

 2013年に行われた田原総一朗氏との対談では「移民を受け入れればいいんですよ。

それで、普通はアメリカでもオーストラリアでも成長戦略を議論する場合には、必ず最初に移民の問題を議論するんです」と語っていた(現代ビジネス 2013年7月16日)。

 今年3月9日、竹中氏が有識者議員として参加している国家戦略特別区域諮問会議が、国家戦略特区の指定を受けている新潟市、京都府、愛知県の3カ所で外国人の就農を解禁することを決めた。

これで人材派遣会社が外国人労働者を農業生産法人に提供することが可能になる。

法務省、厚労省、農水省などは難色を示していたが、竹中氏らが「度重なる議論にもかかわらず、法務省の担当者などの対応が遅く、進捗が芳しくない」と文書で圧力をかけたという経緯がある(東洋経済オンライン 2017年6月20日)。

 また、2015年9月9日の同会議では、外国人家事支援人材の受け入れの実施が報告されている。

神奈川県で実施された外国人家事支援人材の受け入れ事業を請け負った企業のうちのひとつが、竹中氏が会長を務めるパソナグループである。

その後、パソナグループはフィリピン人による家事代行サービスをスタートさせた。

山本太郎 自由党・参院議員

「官邸の下請け、経団連の下請け、竹中平蔵の下請け、この国に生きる人々を低賃金競争に巻き込むのか。

世界中の低賃金競争に恥を知れ、2度と保守と名乗るな、保身と名乗れ、保身だ」
日刊スポーツ 12月10日

 改正入管法が採決された8日、各議員の投票の際、牛歩戦術で対抗した自由党の山本太郎氏は、上記のように叫んだ。

日刊スポーツの名物コラム「政界地獄耳」は「まっとうな保守政治家は野党にいた」と結んだ。

 

 

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