その場しのぎの御都合主義の説明の先にある外交の破綻、国内経済の破壊 From 室伏謙一

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/07/09

その場しのぎの御都合主義の説明の先にある外交の破綻、国内経済の破壊

From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表

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 7月4日参院選が公示され、21日の投開票に向けた選挙戦が本格的に始まりました。
 
本格的に」と書いたのは、選挙というものは選挙期間中だけの戦いではなく、むしろ選挙が始まる前の方が重要と言われるぐらい準備や票固めが勝敗を決することが多いからです。
 
もっとも、無党派層が増加傾向、投票率も50%台で推移する現状、選挙活動、特に街頭活動如何によっては、結果が予想からひっくり返るなんてこともありえますし、
 
失言等が逆風となって相手がた陣営に地滑り的勝利をもたらす、なんてこともありうるでしょう。
 
緑の旋風に多くの有権者が騙され乗せられていた何時ぞやの地方選挙の際の「こんな人たち」発言とそれが引き起こした結果はその典型例と言えるでしょう。
 
もっとも勝利を与えた先も同じような勢力でしたが・・・)

 それはさておき、参院選の争点は何かと言えば・・・なんでしょうそれぞれがそれぞれに勝手な主張をしているというのが実情で、一般有権者から見れば非常に分かりにくいのではないでしょうか。

 
自民党が主張するのは「こんな成果があった」という話と、「野党は主義主張も違うのに統一候補とは野合だ!」という話、そして「政治の安定が外交には重要だ」という話、といったところ。
 
野党はといえば年金問題、雇用・労働問題、エネルギー問題に男女平等といった主張が聞こえてきます。
 
目下の問題は消費税増税やいつまでたってもデフレから脱却できず、格差も広がり、いつの間にか発展途上国への道を「真っ直ぐ」進み始めたこの国をどうするのかという問題のはずなのですが、その手の主張は既存の主要野党からは聞かれません。

 そうした中で、消費税廃止や「コンクリートも人も」をスローガンに掲げた財政歳出の拡大、積極財政を主張しているのは、「政界の異端児」山本太郎候補が率いるれいわ新選組ぐらいです。

 こんな状態で参院選のみならずこの国の政治は、この国は大丈夫か?と思ってしまうわけですが、それと同じぐらいこの国やこの国の社会経済に非常に大きな影響を与えるであろう外交問題があります。

 
日米FTA交渉問題です。

 安倍政権は物品協定でありTAGだと強弁していますが、残念ながら米国政府はTAGなどという摩訶不思議な言葉は使っていないのは既にご承知のとおり。

 
ホワイトハウスのホームページを読めばより一層明らかです。
 
ちなみに、トランプ政権、日本の大手メディアは変人政権のように揶揄してきていますが、情報公開は素早く、非常に積極的。
 
どんなに某国政府が強弁しようと、あーだこーだいったところで、それが実はどうなのかは一目瞭然です。
 
一応我が国の外務省も、首脳会談等の結果として結ばれたり、作成されたりした文書を2ヶ国語以上で公表しています。
 
しかし、多くの国民は見ないか、見たとして日本語の方だけだろうとタカをくくっているのか日本語版では堂々と意訳をしてみたり、「(仮訳)」とつけて目くらましをしようとしたりしています。
 
(無論、交渉の公用語に日本語が含まれていない場合は、日本語での文書の表現は正式なものではないということになるので、「仮」になるわけですが。)

 さて、そのTAG、じゃなかったFTA、アメリカにとっていい結果が参院選後に公表されるとトランプ大統領が来日の際の記者会見で喋ってしまったことから、安倍政権は相当譲歩したとか密約があるのではないかとか、批判の的になっています。

 
的になっているとは言っても、なんとかど真ん中にはならないようにしているようですが、党首討論の場等では自民党を攻める格好の材料になっていることは確かです。
 
安倍総理は大丈夫だ大丈夫だの防戦一方で、その根拠として、昨年9月26日のニューヨークでの日米首脳会談の結果として発表された共同声明の中で、
 
「日本としては〜過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること」という「政府の立場を尊重する」とされたことを前面に出しています。
 
日米両政府で「過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限」だと決めた、とまで言っていることもあるようですが、ポイントは「尊重する」という表現。
 
これはあくまでも日本語文書の方の表現で、英語の文書では「Jap an and the United States will respect positions of the other government」となっています。
 
「respect」なのだから「尊重」でいいだろうと思いがちですが、はたしてそうでしょうか?

 インターネット英英辞典である『Cambridge Dictionary』で見てみましょう。

 
「respect」という言葉には幾つかの意味があるというのは言うまでもないこと
 
そのうちどの意味で使うかによって共同声明のこの一文の意味は大きく変わってきますし、英国と米国では微妙に意味合いが異なっています。
 
今回の場合は勿論米国で用いられる場合ですが、動詞で用いる場合の意味としては次のものが示されています。

‘to admire an ability or good quality, or to admire someone for the ability or qualities that person has’

この説明に基づいて考えれば、共同声明中の「respect」とは、平たく言えば単に「いいんじゃね」程度の意味にしかなりません。

 
トランプ大統領の発言やホワイトハウスのサイトで公開されている情報等からするとおそらくそんなところ。
 
要するに気休めと国内向けのお為ごかしのための入れられた表現といったところでしょう。

 日本が譲歩を勝ち取ったとして、その程度の話だったりして・・・

 外交にその場しのぎのご都合主義を持ち込まれてはたまったものではありませんし、その先に待ち受けているのはこの国の破綻です。

 
ちなみに国債をインフレ率が一定程度にいたるまで今後どんどん発行し続けても国も財政も破綻しません。
 
これは読者の皆様には重々ご理解いただいていると思いますが。)

 ということで、ご都合主義に騙されないためにも、外務省の公開文書は日英両後で、米国との交渉ごとについてはホワイトハウスのホームページを参照する癖を是非つけてください。

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