「霧につつまれたハリネズミのつぶやき」第五十九話: From 平松禎史@アニメーター/演出家

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/07/27

「霧につつまれたハリネズミのつぶやき」第五十九話:

『悪化という見知った道に安心し、改善という見知らぬ道を拒絶する心理』

   From 平松禎史@アニメーター/演出家

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 デフレ不況は国民の自信を失わせました。

 がんばっても報われない。所得が上がらない。働くモチベーションがない。モテない。

結婚できない。趣味に埋没するしかない。自分のことで精一杯。余裕がない・・・

 京都アニメーション第1スタジオに大量のガソリンがまかれ放火。

爆発的火災で20代を中心に34人もの大切なスタッフを死なせた

やけどを負った人たちの再起もわからない凄惨な事件でした。

容疑者も意識不明の状態で、動機などはっきりしたことがわからない状態が続いています。

 放火犯は、いわゆるロスジェネ世代だった。

ロスジェネ(就職氷河期)世代とは、バブル崩壊後の就職難時代、1993年から2005年頃に就職年齢を迎えた世代を指します。

 たとえば、本メルマガ執筆者のsayaさんも近い世代だそうですので、これだけが原因で人を狂わせたとはまったく言えません。

しかし、バブル崩壊からデフレに突入する時期に20代を過ごし、不運な人生が不運なまま浮かばれなかった恨みつらみを、内部に閉じ込め肥大化させた可能性はあると思えます。

どうにかしようと努力しなかったのか、努力しても叶わなかったのか、詳しくはわかりません。

どこかの時点で「どうせ状況が改善するなんてない」とあきらめてしまい、何かに復讐する敵意だけを増幅させていったのかもしれません。

 それが、事件直前に隣人と起こしたトラブルで言ったことこっちも余裕ないんだよ。」に象徴されているように感じました。

 第五十九話:『悪化という見知った道に安心し、改善という見知らぬ道を拒絶する心理』

 賃金統計、実質・名目の両方が悪化しています。
 
 5ヶ月連続の悪化です。
 
 実質賃金 5月確定値 
 ・ 現金給与総額 -1.3%
 
 名目賃金 5月確定値
 ・ 現金給与総額 -0.5%
 

 

https://www.nippon-num.com/economy/actual-income.html

ニッポンの数字 コメントは筆者)

 日銀短観、内閣府の景気ウォッチャー調査、信用調査会社の景気動向調査など、すべて共通して連続悪化です。

客観的なデータと企業・消費者実感の両方が、連続悪化しているのです。

内閣府の景気動向指数、7月は先行指数が-1.0pt下落。

2017年末より下落傾向です。
 
 繰り返し書いていますが「雇用の改善」が景気回復の結果でないことは完全に明らかです。

 アルバイトの賃金が大きく下がっているのは、人手不足を埋めるための外国人比率が上がってきたのと関連がありそうだ。

外国人なら胸の痛みを感じずに賃金を下げられる、ということなら、企業は収益をあげられずコストカットに必死だということ。

それに連れて日本人バイトの賃金も下がったのでしょう。

予測されていたことです。

 景気悪化は非人道的な環境を作り出している。

これでは手前勝手な恨みを肥大化させる狂気が噴出してもおかしくなくなってしまうじゃないか。
 
 
 21日の参院選で与党は過半数を維持しました。

 自民党は議席を9つ減らしましたが、消費増税が控え年金問題で叩かれていた時期ですから、「意外と勝てた」と安心してるかもしれない。

 立憲民主党が躍進しても、山本太郎氏が99万票を得たとしても、政権が揺るがないなら無視できる。

考えを改める必要もないわけです。
 
 晴れて、何も変わらない政治がまたつづきます。
 
 すなわち、連続悪化がつづくのです。
 
 選挙が終わったので、日米FTAでどんな売国的妥協をしたのかも明らかになるでしょう
 
 なぜ、これだけ悪い結果を出している安倍内閣が5割近い支持率を維持できるのか、と不思議がられます。

野党が情けないからだとも言われる。

それはそうだろう。だが、それだけだろうか?
 
 ここ数年の世論調査や選挙結果を見るたびに、もはや国民は連続悪化が普通になって改善策などしてもらいたくないと考えている、と思わざるを得ない。

「悪夢の民主党政権」は確かに国民の教訓になった。

現実が悪夢であろうと、変えてしまうより「長期安定」を優先しているのです。
 
 長く奴隷状態にいた人が、自由にしようと扉を開けたのに出ようとしない、そんな心理ではなかろうか。
 
 「どうせ良くならない」という予測をすることによって悪化を招き、悪化していく現実に安心するようになる。自己実現的予言です。

この状態が長い経路を持つほど修正できなくなってしまう。

経路依存性です。

 20年のデフレ不況で悪化が当たり前になってしまい、むしろ将来が悪くなる方に安心するようになる。

よく見知った道だから。

人は知らないこと経験してないことを恐れます。

連続悪化が見慣れた道ならば、悪化の道を転がり落ちるほうが安心できる。

デフレの恐怖だ。

 悪化している現実を突きつけ、実績のある改善方法を提示しても、20年以上も見たことがない「改善への道」など恐ろしい。

変えたくない。そんなことを言って不安にするな、と拒否したくなるのでしょう。
 
 よく見知った「悪化への道」のほうが楽で安心できる。

 これは無意識的空想ですよ。

 《無意識的空想に埋没した人間に、空想を自覚させることは可能でない。》、というR.D.レインのことばが思い出されます。

悪化状況に麻痺したことも自覚できないので、事実を受入れられない。

今のままが良いと思い込む。このような精神病理をどうやって治癒すればよいのか。
 
《我々が、安心して、自信を持って現在に生きるには、現在の素性を知らねばならない。現在の素性を知るには、過去に話を聞いてみなければならない。》

(高島俊男『本が好き、悪口言うのはもっと好き』p62)
 
 過去は今より悪く、未来が今より悪いと考えるなら「今」が一番心地良くなる。

その繰り返しで20年もデフレがつづく世界史上類を見ない状況がある。

 もし、よりどころである「今」すら耐え難いほど居心地が悪いなら、未来をもっと悪くしてしまえば良い。

そう構えることで「今」を浮上させられる。

そんな空想に埋没する可能性は否定できないでしょう。恐ろしいことです。

 しんどくとも、嫌でも、不快でも、どうしてこうなったのか探らなければ、未来を良くすることはできません。 

 「改善への道」があり、あなたやあなたの周りの人を幸せにできるのだと、自信を持てるようにしなくてはいけない。
 
 
 国民経済は家計とは違います。

 政府の赤字拡大は、国民の黒字拡大になります。

 財源を税収に依存するのは間違いです。

消費税は減税・廃止できます。

 所得拡大、社会保障充実、医療介護など労働環境改善、防災減災、子育て教育、科学技術振興、文化芸術振興…、デフレ期には、どれも政府支出の拡大で直接間接に実現可能です。

 日本の財政赤字(=国民黒字)は少なすぎるのです。
 
 これが、経済において過去に話を聞いてみた結果です。

 ことばを正確に定義し直して、発想の転換をしましょう。

 政治家にも自信を持ってもらいましょう。やればできる、と。 

 これ読んで「改善なんて…」と不安になりましたか?
 悪化してても現状維持が楽だと思っていませんか?
 
 改善を当たり前にしよう!

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