主流派はなぜケインズに勝利したのか : From 三橋貴明

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/08/11

  主流派はなぜケインズに勝利したのか

                 From 三橋貴明

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【近況】
ようやく次作「令和の政策大転換(仮)」を
書き終わりました。

本書は、2019年以降に三橋が取り上げることが
増えていた「主流派経済学」と「ケインズ系経済学」の
対立がテーマです。

1929年のNY株式大暴落に端を発する
世界大恐慌という「超デフレーション」で、
それまでの主流派であった古典派経済学の権威が失墜。

 

何しろ、アメリカの国民総生産は、
1929年の1044億ドルが、
33年には560億ドルにまで縮小。

わずか四年間で、GNPが44%超も
減ってしまったのです。

また、失業率は29年の3.2%が、
33年には24.9%に上昇。

しかも、24.9%というのは全国の値で、
都市部に限ると50%に達しました。

都市住民の半分が職がない、
所得が稼げないという悲惨な状況に
陥ってしまったのです。

というわけで、地獄のような経済環境の中で、
主流派の地位は「古典派」から「ケインズ系」に
スイッチしました。

その後、西側先進国はケインズ的
財政金融政策の下で大発展。

日本の経済成長率の平均は10%、
欧米諸国も5%前後を維持しました。

(元々、10%近い経済成長率を誇っていた
西ドイツが、移民を入れ始めた途端に
生産性向上のペースが落ち、
5%前後に失速しましたが、それは別の話)

1973年、オイルショック。

原油価格が跳ね上がり、
コストプッシュインフレと景気悪化が同時に発生。

いわゆる、スタグフレーションが
欧米を苦しめることになります。

今にして思えば、

「なぜ、スタグフレーションが発生したのか?」

の答えは、明確で、

「輸入原油価格が上昇し、
コストプッシュ型インフレになり、
企業がコストを吸収できずに
人材を解雇した(結果、失業率が上昇)」

で説明がつくのですが、
当時は「ケインズ系経済学はスタグフレーションを
解決できなかった。

規制緩和や労働組合の機能削減など、

サプライサイド政策が必要だ」という話になり、
経済学の主流派が新古典派に
奪い返されてしまいました。

なぜ、ケインズ系は失墜したのか。
理由はこれまた明確で、

「新古典派やマネタリズムは、
自己利益最大化を目指す邪なビジネスにとって
都合が良いが、ケインズ系は都合が悪い」ためです。

ビジネスの政治力と結びついた新古典派が、
プロモーション戦略で勝利し、
「ケインズは死んだ」
といった事態になったのでございます。

現在、ケインズ系の経済学である
MMT(現代貨幣理論)が勃興しつつあります。

いずれは、再び主流派の経済学が
入れ替わることになるとは思いますが、

何しろ「政治力」が違うため、各国が正しい経済政策を
推進できるようになるまでには、
まだまだ紆余曲折があるでしょう。

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