MMT理解のコツ(理論編):「政府が貨幣の供給者だ」という一点を知るべし

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『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2019年8月21日

 MMT理解のコツ(理論編)
 :「政府が貨幣の供給者だ」という
  一点を知るべし

 From 藤井聡
  @京都大学大学院教授

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このメルマガで以前、

MMT理解のコツ(実践編)
 :「政府が貨幣の供給者だ」という一点を知るべし

https://38news.jp/economy/14183

という記事を配信しました。

MMTとは何かを理解するために、
あるいは、上手に人に説明するためには、

「政府が貨幣の供給者だ」

という一点だけをしっかりと伝えれば、
MMTが示唆する「政策」の全容が
すっと理解できるようになる・・・
というお話をいたしました。

この一点だけを理解しておけば、

・どれだけ国債を発行しようが、
 政府は破綻しないという「事実」

・社会保障のために消費増税が必要だ、
 という話が単なるウソ話であるという「事実」

・政府にはオカネが無いから、
 公共投資の拡大や
 JGP(政府支出による完全雇用と最低賃金の保証)
 なんて無理だ、という話もまた、
 単なるウソ話であるという「事実」

をいとも容易くご理解いただける、
ということをご紹介しました。

ただし、この「政府が貨幣の供給者だ」と言う認識は、
MMTについての

「理論体系」

を理解する上でも、とても有用な

「出発点」

とるものなのです。

以下、「政府が貨幣の供給者」という一点から、
MMTの全体像をあらわすストーリーを
簡潔に描写してみましょう。

・・・

まず、

「政府が貨幣の供給者」になれるのは、
「政府が、貨幣による、徴税義務を国民に課しているから」

です。

円での納税義務を国民に課しておけば、
日本で暮らす人は皆、税金を「円」で払わねばならず、
したがって、国民にとって「円」は絶対必須となります。

なぜなら、
日本にいる限り、誰も、納税義務から逃れられない
からです。

だから、国民は全員「円」を「欲しがる」ことになります。

一方、

「そんな納税義務をなぜ、国民が受け入れているか?」

と言えば、それは、
国民は、政府によって国防、治安維持、防災等の形で、
実に様々な「庇護」を受けているからです。

国民にしてみれば、
「税金を払いたくないから日本から出ていく」
という選択よりも、
「しぶしぶ税金をはらってでも、日本に居る」
という選択の方が相対的に魅力的なのです。

(というか、そう思っている国民だけが今、
日本に住んでるわけです)

これは、親子関係とそっくりです。

子供にとっては仮に親が不満でも、
家を出ていくと親の庇護を受けられなくなるから、
親の言うことを渋々聞きながら、家に居続ける―――
という親子関係は、この世にごまんとあることでしょう。

国家と国民の関係も、
そんな親子関係と同じ構図にあるわけです。

そんな関係があるから、
「親」である国家だけが、
「現金」(円)を発行する独占権を
得ることができるのです。

・・・・

以上で、「MMTの本質」の説明は終了です。

そして以上の話と、「実践編」でのお話も含めると、
以下の様な因果構図が浮かび上がって参ります。

(1)「政府が国民を庇護している」
    ↓だから
(2)「国民は納税義務を受け入れる」
    ↓だから
(3)「政府は、自分で作り出す貨幣で納税を義務づけることで、
   その貨幣に価値を宿らせることができる」
    ↓だから
(4)「政府は貨幣の供給者」になることができる。
    ↓だから
(5)政府は「インフレになるまでの間は、政府支出の拡大」
   が可能である。
    ↓だから
(6)「インフレになるまでの間は、政府は、
   国民のために必要な投資が可能だし、
   財源調達のために
   消費増税を行う必要性など、一切ない」

・・・

MMTを理解している人々は実は
こうした因果プロセスを「俯瞰的」な視点から
総合的に理解している人々なのです。

つまり、MMT論者達が
政府が貨幣の供給者だと主張するのも、
デフレ下での消費増税を反対するのも、
政府が破綻することなど無いと主張するのも・・・

全て、「政府は親のように国民を庇護している」
という構図を俯瞰的に見て取り、そして、
政府と国民の間に
そんな「国の家」=「国家」の関係があるからこそ、
貨幣を巡る現象が全て生じているのだ・・・
という大局観を持っているのです。

だから、MMTを理解するためには、
国家とは何なのか、
国民と政府との関係はどういうものなのかを
俯瞰的な視点から、
大局的に理解している必要があるのです。

ここに、MMTが現代日本で嫌われる最大の理由があります。

戦後日本には、
(戦争の反省の下)国家を否定するイデオロギーが

蔓延しています。

その結果、MMTが主張する
『貨幣の本質は、
国民・政府の間の「国家的関係」に裏打ちされている』
という構図を、認めたくないという強い潜在意識を持っているのです。

しかも・・・

最近の学者、インテリ達の多くは、皆、
些末な理屈を「こねくり回す」ことには慣れていますが、
「大局的に把握する」ことが苦手な

専門家

に過ぎないので、
MMTが提示する大局的認識を理解できないのです。

つまり・・・

今の日本のインテリは、

「国家嫌いの専門バカ」

ばかりなので、MMTを、本能的に忌み嫌うのです。

バカにつける薬は無い・・・
なんて言いますから、
日本でMMTを普及させるのは、
かなり骨が折れる仕事かもしれませんね(苦笑)。

・・・とは言いつつ
「心ある日本人」もたくさんおられることも事実。

それを信じて、
MMTの正しい考え方を広めるべく、
最新の表現者クライテリオンでは
「MMTと日本」
という特集で、発刊しました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TMRRBX8

是非とも一人でも多くの皆様に、
お読みいただきたいと思います。

日本をこれ以上衰退させないためにも・・・
是非、ご一読ください。

追伸1:
この度発刊した「表現者クライテリオン」の特集「MMTと日本」の中身は是非、

コチラをご参照ください!
https://the-criterion.jp/backnumber/86_201909/

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