「霧につつまれたハリネズミのつぶやき」第六十話: From 平松禎史

■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■

『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2019年8月24日

 「霧につつまれたハリネズミのつぶやき」
  第六十話:
  『もはや「さよなら日本号」しか
   打つ手がなくなっている日本経済』

 From 平松禎史
  @アニメーター/演出家

■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■

 公共インフラの効果を過小評価する傾向は3~40年の積み重ねがあります。
 
 オイルショックによる景気後退で整備新幹線計画が見直され、東京中心に路線が組み立てられたため、北海道・東北・北陸・中国・四国・九州…要するに太平洋ベルト地帯以外は見捨てられた格好になった。
 
 歴代日本政府は緊縮財政思考にすっかりはまり込み、1998年からデフレ不況に突入した。
 
 公共インフラなど「無駄な投資」の代表格となって忘れられてしまった。
 
 そんな時起きたのが東日本大震災。山側にできていた道路が命綱になった。
 
 沿岸を走る常磐線の未開通がつづいて鉄道の重要性を痛感させられた。
 
 そして、2015年に北陸新幹線が金沢まで延伸して、ようやく地方活性化に公共交通インフラの重要性が思い出されたのです。

 が、緊縮デフレではこんなことになってしまいます。

《関西国際空港から入国するインバウンド(訪日外国人)も含めた集客策を進め、客数を上積みすることが必要だ。》

※日経有料会員のみ閲覧可能な記事です。

 「含め」と言うからには国内旅行者の集客も考えないわけじゃないんでしょうが、相変わらず順序が逆です。

 
まず日本人が余裕を持って観光を楽しめる環境を作り、その上で外国人にも来て頂くというのが正常な姿だと思うのです。
 
ところが、逆になっている。
 
 日本経済を専門とする新聞社は、公共インフラを外国人観光客を呼び込む道具にしか見ていないようです。
 
 それで良いんでしょうか。
 
 もう少し広い視野を持った記事を見てみよう。
 
新幹線開業3年半、金沢の街は何が変わったか
 
観光・ビジネス絶好調だが、新たな懸念材料も(東洋経済オンライン 2018年11月14日)
https://toyokeizai.net/articles/-/248449
 
《新幹線開業で良いと感じた点には、「東京行きが便利に」「まちが活発に」「企業誘致」「外国人観光客が増えた」といった項目が並ぶ。
 
半面、悪い点としては「ホテルの予約ができない」「ホテルの値段が上がった」「タクシーが足りない」「食材の高騰」「駐車場が混雑」「観光客が優先されている」「並行在来線が不便に」「道路の渋滞」といった点が挙がっている。
 
なお、これらの苦情や批判に対応する形で、2019年4月の宿泊税導入が決まっている。》
 
 わかりますか?
 
 「良いと感じた点」は、北陸の人々および日本国民にとって良い効果です。
 
 「半面、悪い点」としてあげられているのは、観光客にとって、またはデフレ不況ゆえの弊害、です。
 
金沢に限った問題ではありません。
 
国民の所得が上がれば物価の上昇は平気だし(所得が上がって消費が増えて物価が上がるのが正常な経済です。)、需要に応じたタクシー供給も可能になるし、並行在来線の廃止・第3セクター化などしなくて済みます。
 
 新幹線延伸の弊害と言われているものは、(それ以前に)デフレ不況の弊害なのだ。
 
 宿泊税は地方自治体がおこなう税制です。
 
かつては1940年より遊興飲食税があった。
 
1999年末に増税された消費税との二重取りを防ぐために廃止された。
 
 その後、デフレ不況に転落して宿泊税と名前を変え2002年より東京、大阪、京都が導入。
 
2019年から金沢市が導入、という流れだ。北海道と福岡県も導入検討中とのこと。
 
 宿泊税は、東京大阪京都のような「確実に取れて負担の少ない自治体」から、増税しなくてはやっていけない自治体」へと変質しつつ広がっているわけだ。
 
 消費税と同じですね。
 
 ここから浮かび上がるのは、公共交通インフラ網の整備とともに、日本全体の景気を良くする政策が不可欠だ、ということ。
 
それができるのは政府だけです。政府の役割なのだ。
 
 愛知県は平成二十七年の最新統計で、県内総生産で大阪を抜いて2位になりました。伸び率も大阪2.4%に対して愛知は2.8%で勝っています。
 
東京2.0%より伸びている。
 
 石川県は4.2%!
 
 伸び率では、長崎県、福井県が抜きん出ています。
 
どちらも新幹線の延伸で経済成長が期待されている場所だ。
 
平成 27 年度県民経済計算について(内閣府 平成三十年八月三十一日)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/pdf/gaiyou.pdf
 
 東洋経済オンラインの検証でも、
新幹線延伸を見越した投資が功を奏したとある。
 
 交通インフラ網の整備が地方を活性化させる。
 
 外国人観光客に頼るのではなく、住民の利便性向上や企業誘致を中心に地元が豊かになる方向性で伸びていくのだ。
 
地元の土壌が豊かになってこそ、経済圏の拡大がもたらされるのです。
 
 難しいことを言っているわけじゃありません。
 
地方がギリギリやっていることを政府が率先してやれば良いのです
 
 自国通貨建て国債は破綻しません。
 
日本に「財政問題」はないのです。
 
 緊縮財政思考を捨て去り、経済状況に応じて財政支出を増やし国債発行をする。
 
当たり前の姿勢を思い出しましょう。
 
 「財源は税収に限らない」。
 
政府支出を増やし国債発行をして国民に投資できるのです。
 
 所得を削る消費税は減税、将来は廃止する。
 
当たり前の経済成長ができていれば、所得税や法人税の適正な累進課税でインフレ率を調整し、再分配も行うことができます。
 
 政府が役割を放棄し続けてきた平成期から、ごく当たり前に役割を果たす政治へと転換しましょう。
 
 相変わらず、国が支出しておこなうと民間に悪影響が出ると反発する人がいるようですが、それ以前にデフレで民間に悪影響が出まくっている現状を無視しないでいただきたい。
 
もはや日本は、旧型国電の「さよなら運転」のごとく、「店じまい」(三橋貴明さん)によって客寄せするしかなくなっているのです。
 
政府が役割を果たさないで改善などできないでしょう。
 
 鉄道ファンには「さよなら運転」はおなじみですよね。
 
 ボクは全国の旧型国電の「再就職先」飯田線の近くに住んでいたので、多くの旧型国電に親しみました。
 
クモハ52や80系電車のさよなら運転にも接した。
 
 引退していく電車を遠慮なく惜しむことができるのは、投資によって作られた新型車両が登場するからだ。
 
 日本政府が国民への投資をせず、消費増税を断行し、外国に依存する政策をつづければ、「日本号」は新型車両を迎えることなく朽ちていくのです。
 
 さよなら運転が賑わうのは一種の駆け込み需要です。
 
日本国内は消費増税の駆け込み需要が起きないほど衰退してしまった。
 
 日本に住まない外国人観光客は「さよなら日本号」を見物に来ているのです。
 
 そのうち来なくなりますよ。
 

○コマーシャル

下北沢トリウッドにて『薄暮』舞台挨拶付き上映会の開催が決定!
ボクは主人公が朧月夜を演奏する場面を描きました。
https://twitter.com/twilight_anime/status/1159756263216967680?s=12

ボクのブログです。
https://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/

 

コメントを残す

サブコンテンツ

FC2ブログランキング

政治・経済ー政治

ブログの殿堂

ブログランキング

i2iアクセス解析

国税

i2iサイト内ランキング



合計累計カウンター


今日の合計


このページの先頭へ