公務員叩きは日本の土台の破壊につながる  From 室伏謙一@政策コンサルタント

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『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2019年11月12日

 公務員叩きは
日本の土台の破壊につながる

 From 室伏謙一
  @政策コンサルタント
   /室伏政策研究室代表

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 最近非正規公務員の惨状に世の関心が集まっています。
非正規公務員とは、地方公務員であって、読んで字の如く正規雇用ではない公務員のことであり、身分保障はなく、雇用期間も有限で、給与等の待遇面でも正規雇用の公務員に大きく劣っています。
雇用期間が有限というと、研究職等の任期付公務員というものがありますが、こちらの方は待遇は正規と同等か、場合によっては正規よりも給与面において優っていることもあります。
まあ基本的にはある程度の経験や専門的知見を持っている人材が、就くものなので、その点からしてそもそも異なるわけですが。
それから、非常勤の公務員というものがあります。
非正規公務員はこれの場合が多いのですが、審議会等の委員も非常勤の公務員に分類されます。

 

後者の場合は他の職があっての非常勤ということであり、大学の教員やシンクタンクの研究員、企業の幹部等が就くことがほとんどであり、前者とは全く異なります。

 

 さて、補足説明が長くなってしまいましたが、なぜ非正規公務員なるものが誕生したのでしょうか。

それは、地方公共団体における行財政改革の推進と公務員の定数削減で必要な部門に必要な数の正規の公務員が配置できなくなったからです。
端的に言って、地方公共団体における緊縮財政の結果ということです。
無駄の排除」とか「身を切る改革」とかいった言葉が踊っていましたが、要は単なる予算の削減です。
もっとも、地方公共団体は公債(地方債)を発行できますが、当然のことながら通貨発行権はありませんから、いくらでも公債を発行できるわけではありません。
したがって、必要な歳出に対して歳入が不足する分については国に面倒を見てもらう必要があるわけですが、地方財政についても「健全化」が叫ばれ、それが制度化されるようになってからは、
国が面倒を見るお金、地方交付税交付金は減らされてきており、京大の藤井聡先生の計算によると、

 

安倍政権下ではなんと1.1兆円も削減されました。

 

 その一方で、国は行財政改革を進めろだの、民営化を進めろだの、PPP/PFIを積極的に活用・導入しろだの、更なる緊縮を迫ってきました。

そうした中で槍玉に挙げられ、まるで生贄のように集中砲火を浴び続けてきたのが、公務員でした。

 

そうした時に言われたのは、「公務員の数が多すぎる」、「無駄な公務員が多い」、「公務員は仕事をしていない」、「公務員の給与が高すぎる」といったもの。

 結論から先に言えば、これらの主張の全てに根拠はありません。

日本の人口1,000人当たりの公務員数は、主要先進国中最低です。
(つまり、日本は既に小さな政府になってしまっているということです。)
無駄な公務員が多いというのなら、なぜ非正規公務員が必要なのでしょうか?
今回の台風による被災においても、関係部門の公務員数が足りないことが問題になりました。
そもそも何を根拠に「無駄」と言っているのでしょうか。
往々にしてイメージだけで言っているのではないでしょうか。
仕事をしていないということについてもまたしかり。
そもそも公務員の仕事についてどれだけ知り、理解した上で言っているのでしょうか。
これについてもイメージだけ、それも全く根拠のない、誰かが勝手に作って独り歩きしてしまっているイメージに基づいてそう言っているのではないでしょうか。

給与についてもまたまたしかりです。

 

 こんなふうに根拠もなくただなんとなく、イメージだけで公務員叩きをやり、緊縮財政の推進に手を貸して、その結果として必要な部門に必要な人員がいなくなり、技術やノウハウの継承も難しくなり

、公務員の士気も下がり、有能な人材が公務員を目指さなくなって大損するのは、他でもない自分たちです。
それはまるで、自分の住む家を支える土台を、なんとなくのイメージで叩き壊そうとするようなもの。

いい加減根拠なきイメージや先入観から自らを解放して、正しい情報に基づいて、公務員というもの役割や価値を見直していくべきでしょう。

 

 私自身、公務員制度改革や定数削減の旗振り役の官庁にいましたし民間企業に転職後も、公務員の数が多いであるとか仕事をしていないであるとか、民間に任せた方がいいといったことを信じ、

民営化や官業の民間開放、PPP/PFIの導入推進を後押ししていました。
したがって、騙されたり乗せられたりしてしまうのも無理からぬことです。
しかし、過ちを改むるに憚ることなかれ、です。

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