【要注意!】10兆円補正は財務省が仕掛けた厄介な「クセダマ」である。 From 藤井聡

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『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2019年11月27日

 【要注意!】10兆円補正は財務省が
仕掛けた厄介な「クセダマ」である。

 From 藤井聡
  @京都大学大学院教授

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安倍内閣は今、
10兆円の補正予算を支出する方向で、
調整を始めたようです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-19/Q17CB3DWLU6G01

これまで全くこういう
本格的財政政策をやってこなかったのに、
今頃になってなぜ、急にやることになったのか・・・

 

と言う点ですが、これはもちろん、
消費税を10%に上げたこととの「引き換え」、
として、進められようとしているに過ぎません。

そもそも今回の補正は、
増税前から財務省から「想定」されていた
ことだったのです。

というより

「10兆円の補正を許してやるから、
10%増税だけは絶対にやってくれ」

という、官邸と財務省の間の水面下の交渉が
あったのだろうと考えざるを得ません。

その「証拠」は、公式文書にしっかりと残されています。

まず、昨年度の骨太の方針の記述に着目すると、
以下のような下りがあります。

2019年10月1日における消費税率引き上げに伴う
受容変動に対して機動的な対応を図る観点から、

 

歳出改革の取り組みを継続するとの方針とは別途、
臨時・特別の措置を2019・2020年度当初予算において
講ずることとする。」

この時は、(「当初予算」とは書かれていますが)
19年度(今年度)と20年度(次年度)は、
消費増税する代わりに、

 

「臨時・特別の措置」
と称して、財政支出を行うことが、
既に決められていたわけです。

これが今回の10兆円補正に繋がるわけですが、
具体的に言うなら、この記述はまず、
今年の「骨太」の次の記述へと繋がりました。

「政府は、2019 年 10 月1日の消費税率 10%への引上げに当たり、
下記の各措置や防災・減災、国土強靱化を含めた

 

2019 年度の臨時・特別の措置等の適切な執行により、
消費税率引上げ前後の需要変動の平準化を図り、
経済の回復基調に影響を及ぼさないように取り組む。」

ここでは「当初予算」の文字が消えているのですが、
この変化によって、
「今年度(19年度)の補正予算」
のお膳立てが出来上がったわけです。

で、この記述の枠内で、
10兆円の補正予算が今、
議論されているという次第です。

つまり、安倍内閣の財政政策は、
骨太の方針に完全に雁字がらめにされているわけで、

結局は、「骨太の方針」から一歩も外に出ることが
できないようになっているわけです。

・・・以上を踏まえると、本件の一連の動きから、
次のような構図が見えてきます。

1)

 

10%に消費税を増税してしまった今となっては、
10兆円の補正予算を一発やったくらいでは、
増税インパクトを短期的に幾分和らげることはできても、
「デフレ脱却」なぞは絶対に不可能である。

2)

にも拘わらず、
(骨太に2020年以降の文字が無いことからも)
財務省はこの「一発」だけで補正予算拡充を
終わらせようとしているのは明白である。

3)

したがって、
「現状の政府方針」では、
デフレ脱却は絶対に不可能であり、
日本のさらなる貧困化は「確定」する。

・・・

もちろん、10兆円補正は、
何もしないよりはマシともいえそうですが、
文字通りの「焼け石に水」ですから、
デフレ脱却の視点から言うなら、
「単なる無駄」なのです。

そもそもデフレ脱却のためには、
補正予算15兆円を5―6年行うか、
あるいは消費「減税」するしか、方法がないです。

で、「骨太の方針」に雁字がらめにされている
現政権では、15兆補正×6年、なんていうのは、

100%と不可能ですから、
現実的に言うなら、デフレ脱却には、
5%への消費減税しかありえないのです。

にも拘わらず、
「10兆円補正」というと、
デフレ脱却に向けて
頑張っている「感」が出ますよね。

だから、デフレ脱却を目指す人々は
ついつい、応援したくなっちゃう。

結果「消費減税」運動が「退潮」
してしまうリスクが生じてしまいます。

でも、そんな「はした金」じゃぁ、
デフレ脱却なんてできないから、
早晩、緊縮派から、

「やっぱり、財政政策なんて役立たずじゃないか!」

という批判を受けることになるのは必定です。

結果、ますます財政政策の評判が悪くなって、
さらなる緊縮が助長されることになり、

 

デフレがさらに深刻化していく―――
となることは避けられません。

だから、増税直後の10兆円補正は、
財務省から投げられた、
相当に厄介な「曲球」(クセダマ)なわけです。

一見、とても「良いこと」を
やっているように見せかけつつも
消費減税運動を退潮させ、
財政政策の評判を貶める帰結
を容易に導き得るからです。

実際、もしも当方が「財務省側」のアドヴァイザーなら、
恐らく今回のような「10兆補正」
という球を投げておいた上で、
徹底的に、財政政策無効論を吹聴しまくることでしょう(苦笑)。

なぜならそれこそが、
「積極財政派」に最大のダメージを与える攻撃
になるからです。

・・・だから、易々と、
この10兆補正を喜んではいけないのです。

いずれにせよ・・・

「敵」がこういう手を打ってきたのなら、
その敵の攻撃を最大限に活用しつつ、どうすれば、

 

デフレ脱却という「ゴール」を決めることができるのか、
これから徹底的に合理的な作戦を立てていかねばなりません。

ほぼ絶望的な戦況が続きますが、
それは決して不可能ではない筈です。

今後とも引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。

追伸1:
何でこんな事になってるのか・・・っていうと無論、政治が腐ってるからです。

どういう風に腐ってるのかについては・・・是非、こちらをご一読下さい。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20191126/

追伸2:
・・・そんな議論にご関心の方は是非、こちらからご登録下さい。
http://www.mag2.com/m/0001682353.html

https://foomii.com/mypage/ 

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