いわゆる「国の借金」と戦争(前編):三橋貴明ブログ

2018/09/24

いわゆる「国の借金」と戦争(前編)

 

月刊日本2018年10月号  にインタビュー記事「竹中平蔵のための規制改革」が掲載されました。

 

過去数年、日本人の「おカネに対する誤解」を解くべく、言論活動を続けてきました。おカネとはモノではなく、債務と債権の記録です。

もちろん、「おカネは信用」という表現は間違っていませんが、やや抽象的なので、わたくしは「債務と債権の記録」」としています。

「記録」ですから、要はデータです。

 

「誰々が、誰々から○○円借りている」

という記録が存在し、それに譲渡性があれば何でもおカネになります。

現金紙幣は、保有者の債権であり、日本銀行の債務です。

現金紙幣は、市中銀行が「日銀に対する債権」である日銀当座預金を「引き出す」形で、社会に流通していきます。

日銀当座預金は、市中銀行が「自身の債権であり、政府の債務」である国債を日本銀行に売却した際に、日本銀行が発行するおカネです。

銀行預金は、市中銀行が借り手におカネを貸し出す際に「発行」されるおカネです。

もちろん、借り手の債権であり、銀行の債務になります(逆じゃないですよ)。

いわゆるリフレ派の間違いは、
「おカネ(日銀当座預金)の発行を増やせば、国内の消費や投資が増え、デフレ脱却できる」
と、風が吹いたら桶屋が儲かる的な強引なロジックを構築したことです。

我々は日銀当座預金を持っていないため、使えず、借りることもできません。

日銀当座預金を消費や投資に回せるのは、政府だけです。

政府の国債発行は、まさに日銀当座預金を借り入れ、政府小切手の形で支出するプロセスです。

日本銀行が懸命に国債を買い取り、日銀当座預金を増やす反対側で、政府が緊縮財政。

資金不足の縮小を進めていたわけで、総需要不足(消費や投資の不足)というデフレーションから脱却できるはずがないのです。

 実は、この辺り↑の仕組みについて、ほとんどの政治家は知りません。

嘘だと思うならば、地元の政治家に聞いてみてください。

仕組みを知らないというよりは、「おカネ」について知らないというのが正しいのですが、我が国は政治家や国民の「無知」が原因で、国家を衰退させる緊縮財政を継続しています。

 

『安倍首相に物申す、消費税増税中止を 日本再浮上の好機逃すな
https://www.sankei.com/premium/news/180923/prm1809230012-n1.html

安倍晋三首相は自民党総裁3選を果たしたが、気になるのは来年10月に予定している消費税率10%への引き上げだ。

増税で日本再浮上のチャンスを潰すべきではない。

拙論はメディアでは少数派ながら、一貫して増税反対論を述べてきた。

この際改めて安倍首相に増税再考を求める理由はほかでもない。

首相周辺の増税延期派の異常なまでの沈黙ぶりだ。

総裁選で、「予定通りの増税実行」を迫った石破茂元地方創生担当相を前にして、安倍首相は「自動車とか、住宅とかの耐久財の消費を喚起する、あるいは商店街等々の売り上げが悪い影響がないように、きめ細やかな対応をしていきたい」と述べた。

当たるべからざる勢いの首相を見て、「増税はまずいと、安倍さんに諌言(かんげん)すれば嫌われ、遠ざけられやしないか」と恐れるスタッフもいる。(後略)』

 

マット安川さんのラジオ番組でも語りましたが、石破元幹事長が本気で安倍総理と戦うならば、「消費税増税凍結(もしくは延期、もしくは減税)と公共投資、社会保障拡大」を訴えるべきでした。

欧米諸国では、財政拡大派が緊縮路線の既存政権に挑戦し、勝利するというケースが出てきています(アメリカ、イタリアなど)。

ところが、日本では「挑戦者」が「より厳しい緊縮策」を求め、しかも「財政問題がない」我が国で消費税増税路線に固執しているわけで、

「どうしようもねえなあ・・・・」
という感想しか浮かびません。(

何度か書きましたが、石破元幹事長の経済ブレーンは伊藤元重)

それにしても、なぜ日本の政治家は「消費税増税凍結(あるいは延期、或いは減税)」や公共投資拡大、社会保障充実といった財政拡大路線を主張しないのでしょうか。理由はもちろん、

「クニノシャッキンデハタンスル~」
「国の借金(正しくは政府の負債)は税金から返さなければならない」
「国の借金は将来世代へのツケの先送り」

といった「ウソ」を国民が信じているため、或いは「信じていると政治家が思い込んでいる」ためです。

(真相は、オールオアナッシングではないでしょう)

それでは、なぜ国民や政治家は「国の借金は税金で返すもの」「国の借金は将来世代へのツケの先送り」といったレトリックを信じ込んでいるのでしょう。

実は、理由は大きく二つあるのです。

一つ目は、人類の歴史を振り返ると、過去に「国の借金を税金で返す」時代が確かにあったためです。

すなわち、中世欧州です。

詳しくは、今週と来週のメルマガで解説していますが、

 

【週刊三橋貴明Vol487 国王公債と中央銀行(前編)】
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

 

中世欧州の国王は、軍事革命後に大規模化した戦争を遂行する際に「公債」を発行し、銀貨などの「正貨」を借り入れなければなりませんでした。

公債発行は「その国の将来の税金」が担保になっていました。

貸し手の銀行家などは、「将来の税収」を担保に国王にカネを貸し付けたのです。

実際、貸し手は戦争終結後、国王に対し、その国の税金から返済や利払いをさせたのです。

まさに、「国の借金を税金で返す」わけでございます。

その後、中央銀行の制度が整えられ、公債について「税金で返す」必要はなくなったのですが、未だに中世欧州の感覚の人が少なくないのです。

そして、二つ目。

こちらも戦争に関わっているわけですが、こちらの方がより深刻です。

というわけで、明日に続くわけですが、とにもかくにも日本は消費税を増税してはいけません。

「日本は消費税を増税してはいけない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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