書評 しょひょう :藤和彦 『人は生まれ変わる』(KKベストブック)

☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 生まれ変わりの科学、日本では顧みられないが欧米では研究が進む
  輪廻転生は確実に存在すると実証的な頭脳への挑戦

   ♪
藤和彦 『人は生まれ変わる』(KKベストブック)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 副題に「縄文の心でアフターコロナを活きる」とあるように、古代人の智恵にこそ、現代日本人は学ぶべきとする。 

 生まれ変わりというやさしい言い方。

仏教用語の輪廻転生である。

現代人はまったく軽視するか、あるいは人生で考えたことが少ないか、オカルトだと誤認しているかである。

 輪廻転生は実在する。

 ところが団塊の世代が「終活」を迎えると、海洋葬や、森林葬を望む人が増えて、従来のお墓は要らないと考える人が急増している。

宗教心の衰えではなく、日本人の「死」の捉え方に劇的な変化がでたのではないかとする。

 輪廻転生を基本テーマとして、長い長い物語を書いたのは三島由紀夫『豊饒の海』(全四巻)である。

 第一巻『春の雪』の松枝清顕が悲恋の中で夭折し、「また会おう、滝の下で」と言い残した。

『第二巻』で清顕は、神風に憑かれた飯沼勳に転生している。

そして第三巻『暁の寺』ではタイの王女ジンジャンに輪廻転生したらしいこととなり、第四巻『天人五衰』では、偽物の青年、安永透が描かれ、輪廻転生は曖昧模糊の闇のなかでぷっつんと終わる。

 評者(宮崎)、この『豊饒の海』を三回ほど読んだ(拙著『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』、『三島由紀夫の現場』)が、この名作をまともに論じた文芸評論家も思想家も極小だった。

とくに文壇は、『春の雪』だけを名作と褒め、二巻以降は論評を避けた

 輪廻転生が理解できなかったのか、いや二巻の神風連やテロリストに嫌悪感を抱いたのか、そして第三巻は仏教思想議論に唯識からアラヤシキへと発展するため、おそらく咀嚼出来なかったのだろう。

 事実、英訳も第一、二巻を翻訳した日本文学者は三巻の翻訳は無理だと嘆いて降りた。

結局、第三、四巻の英訳はサイデンステッカーとドナルト・キーンが成し遂げた

 なにを言いたいか。

 嘗て日本人の殆どが信じていた輪廻転生が、非科学的、非合理的と言って軽視するという時代風潮、宗教心の希薄さは道徳的衰微と精神の衰退を日本人にもたらした。

 死を恐れる。

生命尊重だけで良いのかと三島は訴えて諌死したが、あの歴史的な衝撃も現代の感性では現象的に風化した。

 著者の藤和彦氏は言う。

 「現在の日本は、人類が経験したことがない多死社会に突入しようとしています」。

げんに介護が日本の基幹産業となりケアセンターがあちこちに出現し、看取り士の需要も増えた。

 「豊かさや幸せに満足し、いや、それに溺れて、ひそかにその背後に隠れていた『死』について考えることをおろそかにしてきた」。

だから「死について何も知らない」のだ。

 そして日本では生まれ変わりの研究が進んでいないという現実がある。

 「日本は不思議な国、明治以前には『霊』の存在を当然のこととしてきたのに、今では過去の欧米に追従してこの種の現象をまじめに考えようとしない風潮が特に科学者の間に強くある」(カール・ベッカー京都大学特任教授)

 対比的に欧米ではむしろ研究が進んでいるという(本書68p)。

 戦後の高度成長は、一方で都市集中をもたらし、農村が寂れ、共同体が崩壊した。

死は無という虚無的な死生観がはびこり、いのちだけが大切という刹那的享楽主義が世の中に溢れ、死は遠景に追いやられた。

 テレビが死体を映像として忌避していることがなによりも雄弁に、死への距離、そして死への無理解へと繋がる。

 明治維新の思想的原動力となった一人は平田篤胤である。

平田思想は廃仏毀釈の原動力ともなったが、じつは輪廻転生を信じた。

平田は神代文字の研究にも没頭した。

和辻哲郎は後年、平田を「変質者」「狂信の徒」と罵ったが、「死者の魂によって現世のわれわれの生は成り立っている」とし、柳田国男ら民俗学に影響を与えている。

 平田篤胤については語り出すと際限がなくなるので、この稿では措くが、ニニギノミコトを現世に、オオクニヌシノミコトを幽界のものとし、宣長に強い影響を受けた。

平田門下は全国に拡がり「死後の平田門弟」を名乗った。

 キリスト教も初期のころは輪廻転生を信じていたし、その前のミトラス教も、イララムのスーフィズムも輪廻転生を信じている。

まったくあの世を信じないのは中国人くらいだろう。 

 この世とあの世を熟考しつつ、本署は生まれ変わりの科学に挑んだ
     ☆○▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆    

コメントを残す

サブコンテンツ

FC2ブログランキング

政治・経済ー政治

ブログの殿堂

ブログランキング

i2iアクセス解析

i2iサイト内ランキング



合計累計カウンター


今日の合計


このページの先頭へ