書評 しょひょう : ペマ・ギャルポ『中国は消防士のフリをした放火魔』(ハート出版)

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 :   宮崎正弘 
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 香港治安安全維持法(所謂香港安全法)とは、
チベット侵略を合法化した「チベット十七条協定」に酷似

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ペマ・ギャルポ『中国は消防士のフリをした放火魔』(ハート出版
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 中国は長谷川平蔵を名乗るが、じつは石川五右衛門である。

 と評者(宮崎)、ときどき講演で使うフレーズだが、なるほど中国って『消防士』を標榜しながら、じつは「放火犯」だったのか。

 疫病を拡げておきながら、世界に中国に感謝せよとマスク外交で迫った。

あまりのことに世界が冷笑していると、中国に感謝しないのは怪しからんと、

こんどは「戦狼外交」を展開し、開き直った。

 著者のペマさんに関しては、いまさら紹介する必要はないだろう。

チベットの名門に育ち、中国の侵略から逃れて、若き日に日本へ留学。

そのまま居着いて、日本に帰化された。

ペマさんの巧みな日本語は仏教用語から哲学のタームまで、宗教家の顔、哲学者の顔、そして大学教授の顔があり、いまも八面六臂の大活躍をされている。

ときどき会うが、いつも啓発される。

氏の還暦祝に駆けつけたとき、教え子達が熱心にペマさんを支えていることを知った。

本書でペマさんの警告の第一は「香港、日本がチベットと同じ運命をたどりかねない」ことである。

いや、香港はすでに中国共産党の支配下に置かれ、市民は監視され、自由は圧殺された。

 日本はどうかといえば、尖閣諸島をみよ。

毎日のように日本領海に侵入しているのに、地元のメディアは籠絡されてしまって批判もしない。

沖縄は事実上、静かに中国の軍門に下ったかのようである。

 米中激突時代を迎えたいま、日本はこれ以上の曖昧な態度は許されない。

なぜなら「中国共産党と世界は共存できないからだ」と説かれる。

 通読して、評者の独断でいうと、次の箇所が本書でもっとも重要な部分の一つである。

 香港治安安全維持法(所謂香港安全法)は、チベット侵略を合法化した「チベット十七条協定」を同じだということだ。

 香港安全法によって、「香港はチベット同様、中国政府の『植民地』となってしまうだろう。

それにつづくのは残酷な弾圧である。

していま香港を私たちが見捨てれば、次にはおなじ運命が日本に襲ってくるかも知れない」(189p)。

 ならば、その「チベット十七条協定」には何がかかれているか。

「第一条 チベット人民は団結して、帝国主義侵略勢力をチベットから駆逐し、チベット人民は中華人民共和国の祖国の大家族のなかに戻る」

「香港安全法の第一条は以下の通り。

 「高度の自治の方針を揺るぎなくしかも全面的かつ正確に貫き、国家の安全を守り、香港特別行政区に関連する国家分裂、国家政権転覆、テロ活動の組織・実施及び外国または域外勢力と結託して国家の安全を害する等の犯罪を防止し、阻止し、処罰し、

香港特別行政区住民の合法的検疫を保護するため、中華人民共和国憲法、中華人民共和国香港特別行政区基本法及び香港特別行政区における国家安全維持の法制度及び執行メカニズムの導入整備に関する全国人民代表大会の決定に基づいて、この法律を制定する」

 ペマさんは指摘する。

前者が「帝国主義侵略勢力」となり、後者は「外国又は域外勢力とあって、追放し処罰する等」としている文言に注目する。

換言すれば、民主化運動は『犯罪』と決めつけているのである。

 この無謀無法残酷、人権を平気で踏みにじる中国の全体主義を、西側の一員である日本が看過することはもはや許されないのではないのか
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