『大阪都構想の真実』その住民投票は「大阪市の廃止」を大阪市民に問うものである From 藤井聡

■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■

『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2020年9月16日

 『大阪都構想の真実』
その住民投票は「大阪市の廃止」を大阪市民に問うものである

 From 藤井聡
  @京都大学大学院教授

■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■

(1)中身が知られていない、イメージ先行の「大阪都構想」

「大阪都構想」の住民投票が決まりました。

11月1日、ないしは10月25日に投票と言われていますから、今から後、一月半後には、住民投票が行われます
https://mainichi.jp/articles/20200907/k00/00m/040/063000c

とはいえ、多くの国民は、大阪市民の方々も含めて、言葉はよく耳にするが、それが何なのかはよく分からないという方が大半だと思います。せいぜい知っていることといえば、

・橋下さんが作って、松井さんや吉村さんが今やっている「大阪維新の会」が推進しようとしてきたもの。
・5年前に一度住民投票を実施して否決されたもの。

という程度だと思います。でも、肝心の「中身」についてはもっとよく分からない、というのが実態だと思います。だから、多くの人々は「都構想」という言葉から、

「大阪を、『東京都』みたいなものにする構想」

とイメージする方が大半だと思います。そして、

「今は大阪よりも東京の方が発展しているから、大阪をよくするための構想なのだろう」

と、何となく「想像」している方が多いと思います。

事実、今、大阪市では、この都構想について、大半の方(71.8%以上)が、「行政の説明は不十分だ」と認識しているにも関わらず、約半分(49.2%)が「賛成」と回答しています。

https://mainichi.jp/articles/20200906/k00/00m/010/077000c

つまり大阪市には今、「中身はよく分からないけど、まぁ、賛成だ」という気分が蔓延しているわけです。

これは大変に恐ろしい状況です。

今、大阪市民は大阪都構想という「イメージ」は良いけれど中身がよく分からないものを、分からないまま食べてしまおうとしているようなものだからです。

その中身如何によっては、取り返しの付かないことにもなりかねないですから―――。

(2)大阪都構想の本質は、「大阪市の廃止」である。

では一体、大阪都構想の「中身」とはどういうものなのでしょうか?

まず手始めに、できるだけ中立な情報を調べるという趣旨でWikipediaを見てみましょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD%E6%A7%8B%E6%83%B3

するとそこには、次のようなことが書かれています。

1.大阪市を廃止し、
2.複数の「特別区」に分割すると同時に、
3.それまで大阪市が所持していた種々の財源・行政権を大阪府に譲渡し、
4.残された財源・行政権を複数の「特別区」に分割する、

これを見ると、どうやら大阪都構想は、

「大阪市という一つの会社を潰して、そのカネと権限を大阪府という大企業に譲り渡した上で、4つに分社化する」

というような話だということが見えてきます。

普通こう言う話は、会社を潰す話をする時に言われます。

ですから、大阪都構想とは、東京のような「みやこ」に発展させる構想だという「言葉のイメージ」とは裏腹に大阪市を廃止する」というのがその中身なわけです。

(3)都構想の住民投票は、「大阪市の廃止を大阪市民に問う」選挙である。

ところが、前回の住民投票の時、驚くべき事に、この「真実」が投票用紙に記載されておらず、有権者に「隠されて」しまっていたのです。

この点について、多くの学者や市民が「事実の隠蔽じゃないか」と言う視点から激しく批判し続けてきたのですが、今回の投票時には、選挙管理委員会の判断でその「事実」が明記れることになりました。

『大阪都構想住民投票 用紙に「大阪市を廃止」明記』毎日新聞、令和2年9月7日)
https://mainichi.jp/articles/20200907/k00/00m/040/063000c

ちなみに、大阪都構想の住民投票の有権者は大阪市民。

したがって、大阪市民の皆さんは、後一月半後に

「自分達の自治体である大阪市を廃止するかどうかの判断」

を問われることになるわけです。

2015年の住民投票時には、大阪市民は自分達の自治体を廃止することを回避する判断をした訳ですが、今回大阪市民は、自分達の大阪市を廃止・解体する判断を下すのでしょうか?

少なくとも、何も分からないうちにイメージだけで都構想に賛成し、大阪市を廃止することだけは避けることは、必要だと言えるでしょう。

もしも大阪市を潰すなら、潰すという事を理解しながら潰して頂かないと、後で激しく後悔することにもなりかねないわけですから…。

(4)大阪都構想の住民投票は、「堺市民に、堺市の廃止を問う」ようなものである。

ところで、この「大阪市を潰す」という概念は、大阪においては少々直感的に分かりづらいのかも知れませんが、次のように考えれば簡単にご理解頂けるのではないかと思います。

すなわち、今回の大阪都構想の住民投票は、
堺市民に「堺市を廃止しますか?」を問う
様なものなのであり、
神戸市民に「神戸市を廃止しますか?」を問う
横浜市民に「横浜市を廃止しますか?」を問う

様なものだということです。

言うまでも無く、堺市民も神戸市民も横浜市民も、そんな投票にほとんど誰も賛成しないでしょう。

にも関わらず、大阪市だけなぜ、大阪都構想を支持する方が多いのかと言えば――それはたまたま廃止される市の名前が、府県の名前と一緒だからだと思います。

でも名前がどうあれ、廃止は廃止なのであって、大阪でも堺でも横浜・神戸でも「都構想の実態」は一ミリも変わりません。

ついては大阪市民の皆さんには是非、名前やイメージに囚われずに、大阪市という自分達の自治体を潰すのが都構想というものだという「真実」をしっかりと認識した上で、投票所に行っていただきたい思います。

追申1:
大阪都構想については、実に108人もの学者・専門家達がその危険性を様々に指摘しています。「大阪市が廃止」されることのデメリットがどれだけ深刻なのか…ご関心の方は是非、下記ご覧下さい。
『大阪都構想の危険性に関する学者所見』
https://satoshi-fujii.com/scholarviews2/

追申2:
…にも関わらず、
都構想の賛成世論があるのは、それが単なる「空気」だからです。

空気が暴走すれば必ず自滅します…是非、ご一読ください。
『新・空気の研究』 ~TV・知事・専門家たちのコロナ脳
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08D4SJWR3/追申3:
「維新と仲が良い」と噂される菅新総裁…ですが、
未来は決して明るくありません。

注意深く推移を見守りましょう。
『なぜ日本は菅氏の「消費増税発言」によって「地獄行き」となるのか?』
https://foomii.com/00178/2020091221032570796

コメントを残す

サブコンテンツ

FC2ブログランキング

政治・経済ー政治

ブログの殿堂

ブログランキング

i2iアクセス解析

i2iサイト内ランキング



合計累計カウンター


今日の合計


このページの先頭へ