書評 しょひょう : 田中英道『日本国史の源流──縄文精神とやまとごころ』(育鵬社):宮崎正弘
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評
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旧約聖書と日本の神話との類似性にスポット
前作は『ユダヤ人埴輪があった』。日本の神々と比較
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田中英道『日本国史の源流──縄文精神とやまとごころ』(育鵬社
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「すべての学説は仮説である」(林房雄『神武天皇実在論』)。
本書は仮説が多いが、歴史学とはそもそもが仮説によって成立して
歴史を装った政治宣伝文書は、都合の良い文献だ
しかし、根本的に不動のものがある。
それは精神の源流がどこから
本書は、その根源に挑んだ。
たとえば三内丸山縄文遺跡にある大建築は神社の原型ではないか、
六本の柱からなるミステリアスな建築は、時計、暦測定、あるいは
さて、評者(宮崎)、本書を通読して、膝を叩いたのは、旧約聖書
箇所だった。
過日、評者は神武天皇陵から三輪山、畝傍を歴て吉野へ旅をしたの
神道の根源的な地域
それはともかく、久しぶりに聖書を開いた。
当該訳本はマタイ伝からの編集だが、アダムとイブ、誰それから誰
古事記、日本書紀をみるとイザナキ・
書き出しが類似していることを改めて考えた。
だから「稗田阿礼」は渡来した西洋人ではなかったのか、と田中史
評者は、稗田阿礼は職名と考えてきた
田中英道氏はかく言われる。
「稗田阿礼は決して縄文からの家系の人ではなく、渡来した西洋人
(旧約聖書の)オルフェウスの物語を、
さらに類似性をあげて、田中氏は続ける。
「ギリシア神話との相似性は、アマテラスとスサノオの関係にも見
この二神は、兄・妹のイザナギ、
この関係は、ギリシア
ただしどろどろとした夫婦、近親相姦はあっても、母子の相関関係
アダムとイブはエデンの園を追われる
イザナギとイザナミの初期の子らは蛭子だった。
それは女性から
黄泉の国
酷似する物語は旧約聖書でも語られ、アルフェオスとエウルデユケ
共通するのは「妻の死を冥界から連れ戻そうとして失敗するという
「死というものの真実を見てはいけない」と
大いに愉しみながら読んだ。
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