「大阪都構想」 冷静に政治・政策を考えるなら、まずは制度論から : From 室伏謙一

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『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
 2020年10月13日

 冷静に政治・政策を考えるなら、
まずは制度論から

 From 室伏謙一
  @政策コンサルタント
   /室伏政策研究室代表

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俗称「大阪都構想」、事実は「政令指定都市である大阪市を廃止し、その区域を4分割して権限・財源が圧倒的に劣る特別区を設置する構想」の住民投票が告示されました。

この構想を巡っては、これが実現すれば大阪が成長する、大阪府と大阪市の二重行政が解消されて無駄がなくなる等の言説がまことしやかに流されていますが、いずれも事実に反します。

 大阪市廃止は大阪市の成長には全く関係がないどころか、都道府県並みの権限を有する

政令指定都市である大阪市が廃止され市町村未満の権限しかない特別区に格下げされた上に

4分割されるわけですから、大阪市地域への公共投資が大幅に削減されることになり成長どころか衰退することになります。

 二重行政の解消という話についてもまたしかりで、政令指定都市である大阪市

広域自治体である大阪府とは別の法人であり、それぞれが行う事務事業、それぞれが設置する施設等は趣旨目的や対象者が当然異なるわけで、「二重」という指摘は全く当たりません。

どこかの元官房長官の総理の言みたいですが・・・)

 別の言い方をすれば、大阪市と大阪府がそれぞれ見かけ上は同種同様に見える施設を設置する理由は、それぞれに行政目的・対象者(市民・府民)があり、それぞれに需要があるからです。

もっとも、需要と言っても民間事業者ではないので、収益を前提とした需要ではなく、行政需要という非営利かつ複合的な需要であり、それを満たすために設置されているのです。

 つまり、「無駄」という概念は、対象とされる事務事業や施設が余程効率の悪い運営をされている等の事由がなければ当てはまる余地は無いわけです。

加えて言えば、非効率という意味での無駄があったとしても、それは業務の効率化を図れば解消は可能であって、「二重行政」という根拠なき概念を持ち出していずれかの事務事業や施設を廃止すれば解決すると言った話でもありません。

 こうした点は、本件の根拠法である地方自治法の関係規定や、その特別法の当たる大都市地域特別区設置法の関係規定を見れば容易に理解できます。

しかし、大阪市廃止構想をめぐる議論では、そうした制度論にはほとんど触れられず、印象論・イメージ論で話が進められてきており、極めて危険だと言わざるをえません。

(素人議論、素人コメンテーターによる議論は特に危険です。)

 そして、これは「改革」派、「改革」バカと言ってもいいかもしれませんが、そうした連中に最近ありがちな主張として、失敗したり間違ったりしたらまたやり直せばいいといったものがありますが、これも極めて危険で、完全な誤りです。

現行制度では、一度市を廃止して特別区を設置した場合、これを再統合して市に戻すことはできないからです。

「改革」バカは「改革」をゲーム程度にしか考えていないのでしょうね。

 「政治は子供の遊び場ではない」というハンナ・アーレントの言葉を持ち出すまでもなく、「遊び」は自分のお家の中で、自分1人でやってくれという話です・・・

 「政令指定都市である大阪市を廃止し、その区域を4分割して権限・財源が圧倒的に劣る特別区を設置する構想」については、制度論の観点から、4回シリーズで京大の藤井聡先生との対談動画を順次公開していますので、併せてご覧ください。

第1回:https://youtu.be/UBTu2KhYOJc

第2回:https://youtu.be/qSmnQGZvAKU

第3回:10月13日19時に公開

 

小泉政権より、自民党が行って来た改革は、改善ではなく改悪である。

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